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韓国映画を見た22歳を公開処刑…強まる北朝鮮の統制、金与正氏「凄惨な代償を覚悟しろ」

読売新聞 / 2024年7月26日 21時0分

北朝鮮の国旗

 【ソウル=小池和樹】北朝鮮の 金正恩 キムジョンウン政権が韓国文化や情報の流入を防ごうと統制を強めている。韓国映画を見た若者の公開処刑や「韓国流」の言葉遣いも処罰対象になっているという。ただ昨年脱北した女性は、統制強化にもかかわらず若者の間で韓国文化が広まっていると明かした。

 韓国統一省が、脱北者141人の証言などに基づき6月に公表した「北朝鮮人権報告書」によると、2022年、南西部・ 黄海南道 ファンヘナムドで、韓国映画などを見た22歳の青年が公開処刑された。韓国の歌70曲と映画3本を視聴し、7人にこれらを渡したと当局が説明したという。報告書は昨年にも同様の処刑があったとしている。

 こうした処罰の根拠となっているのが、20年制定の「反動思想文化排撃法」だ。韓国ドラマなどの視聴を禁じ、流通させた場合には最高で死刑となる。報告書は同法が結婚式で新婦が白いドレスを着ることや、サングラスの着用も禁じていると指摘する。昨年には「平壌文化語保護法」が制定され、「アッパ(お父さん)」、「オッパ(お兄さん)」など「韓国式」の話し方も処罰対象となったという。

 北朝鮮当局が統制強化に乗り出しているのは、韓国文化の流入が体制維持の脅威になると認識しているためだ。最近では脱北者団体がKポップ入りのUSBメモリーなどを付けた風船を飛ばすと、対抗措置として汚物が入った袋をぶら下げた風船を飛ばしたり「 凄惨 せいさんな代償を覚悟しろ」( 金与正 キムヨジョン朝鮮労働党副部長)と威嚇したりした。いずれも北朝鮮側の強い危機感の表れとみられている。

    ◇

 一方、昨年10月に木造船で脱北した20歳代の女性は6月の記者会見で「北朝鮮の若者たちは『韓国式』が大好きで、すごい速度で韓国文化が広まっている」と話した。

 友人同士で韓国ドラマを交換し合いながら視聴しており、日本でも人気の「冬のソナタ」、「梨泰院クラス」などを好きな作品として挙げた。脱北も韓国政府の支援内容や脱北者の様子などを韓国のテレビ番組を通じて知ったのがきっかけという。女性は若者らの間で統制強化への「反感が生じている」と説明した。

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