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検索で探した情報を要約して回答、米IT企業がサービス提供の動き…「従来の検索」大きく変える可能性

読売新聞 / 2024年7月27日 7時40分

 【ニューヨーク=小林泰裕】米IT企業が、インターネットの検索結果を生成AI(人工知能)で要約するサービスを提供する動きが広がっている。25日には、対話型AIサービス「チャットGPT」を手がける米オープンAIがサービスの試験提供の開始を発表した。AI検索は従来の検索のあり方を大きく変える可能性がある一方、誤情報の拡散や著作権の侵害などの課題も指摘されている。

手間省ける

 オープンAIが発表した「サーチGPT」では、利用者が入力した質問について、AIがインターネット上で探し出した情報を要約して回答する。情報元のウェブサイトのリンクも表示し、追加の質問にも対応する。提携する米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などの報道機関の記事は、情報元として目立つように表示するという。

 オープンAIは当面、米国の一部の利用者や報道機関に限って提供し、利用者の意見を聞きながらサービスを改善する。一般提供の時期は未定だが、将来的にはチャットGPTにもサービスを搭載する方針だ。

 ネット検索ではこれまで、利用者が検索結果として表示されたウェブサイトを開き、知りたい文書や画像を探す必要があった。これに対し、AI検索は要約された文章などで知りたい情報が表示されるため、利用者は手間を省ける利点がある。

課題は多く

 AI検索は、米マイクロソフトや、ソフトバンクと提携する米新興企業パープレキシティが手がけている。ネット検索の世界シェア(占有率)で9割超を占める米グーグルも5月、「AIオーバービュー」を米国で開始した。オープンAIは先行するグーグルなどに対抗する構えだ。

誤情報や著作権侵害に懸念も

 ただ、課題を指摘する声も多い。日本新聞協会は今月、AI検索は著作権侵害の可能性が高いと指摘する声明を発表した。回答には報道機関の記事に類似した内容が多く含まれ、記事が無断利用されるとの懸念は根強い。利用者が要約された回答のみで満足してリンクの張られたウェブサイトを訪れなくなれば、情報元のウェブサイトの広告収入の減少につながる可能性もある。

 また、グーグルのAIオーバービューで誤情報の表示が相次ぎ、米国では一時、その信頼性に疑いの目が向けられた。大量の情報が流通するネット上で、利用者が欲しい情報を得るために検索サービスが果たす役割は大きいが、「現在の生成AIのほとんどは信頼できる機能を果たしていない」(米ニュースサイトのアクシオス)との指摘もある。

 AI検索で消費される電力は通常の検索よりも多く、普及にはデータセンターの整備も不可欠となる。サービスを提供する企業には多額の費用負担が発生する見通しで、英紙フィナンシャル・タイムズは今年4月、グーグルがAI検索サービスの有料化を検討しているとも報じた。

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