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エッフェル塔からセリーヌ・ディオンさん熱唱で最高潮…前例のない華やかな五輪開会式、100年ぶりのパリ五輪開幕

読売新聞 / 2024年7月27日 10時39分

 無観客の国立競技場で実施されたコロナ禍の東京大会開会式から3年――。「広く開かれた大会」というスローガン通り、セーヌ川両岸の約30万人に見守られながら、国際観光都市パリを象徴する世界遺産の中を選手団が船でパレードした。前例のない華やかな開会式で、100年ぶりのパリ五輪が開幕した。

 男女同数の出場枠を設定し、206の国などの選手団約1万人も、スタッフも、男女比率はほぼ50%ずつを達成。セーヌ川を舞台にした開会式も、多様なスポーツと人々の魅力を提示した。

 選手らは、火事からの再建が進むノートルダム大聖堂など、歴史的建造物のそばを船で行進。トロカデロ広場に集結して開会宣言が行われた後は、100歳の元自転車フランス代表選手も含めた同国内外のレジェンドたちが聖火をつなぐ。最後は、ルーブル美術館近くのチュイルリー公園に設けられた聖火台に、柔道同国代表のテディ・リネールらが着火した。約4時間の大活劇は、フランス語を母語とするカナダ出身の歌手セリーヌ・ディオンさんがエッフェル塔から熱唱し、最高潮に。「パリをステージに、式典の歴史で革命を起こしたいと思った。今日、その挑戦は達成された」。演出責任者の一人は、感慨に浸った。

 2度目のパリ五輪の年、1924年に没した地元出身のノーベル賞作家、アナトール・フランスは短編「ピエル・ノジエール」でつづっている。「昼は空を映しながら船を運び、夜はまばゆい宝石と光の花々におおわれる、この川の奇跡には素直に感嘆した」。パリとスポーツの語り尽くせないほどの魅力を鮮やかに伝えた開会式も、世界の人々の心に響いたに違いない。3度目のパリ大会が、期待と高揚感に包まれ、本格スタートした。(平地一紀)

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