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埼玉県北本市が抱える問題を漫画で解説、手がけたのは市の部長…スマホアプリ使い作画

読売新聞 / 2024年7月28日 16時18分

 埼玉県北本市が抱える人口減や公共施設再編――。そんな取っつきにくい行政の課題を解説する漫画が、市の広報誌に掲載されている。手がけたのは、市政策推進部長の福島弘行さん(51)。「難しいテーマでも分かりやすい」と市民にも好評で、6月号からは新たな連載も始まった。(児玉森生)

データ収集

 新連載のタイトルは「住みたくなるまち、住み続けたいまち」。5月末に発行した「広報きたもと」の6月号からスタートした。

 小学生の「元気くん」が、市職員の「チナツちゃん」に市の人口減について解説してもらう内容だ。6月号では2人の会話から、市の総人口は減っているが、2020年から転出より転入が上回る「社会増」に転じ、子育て世帯の移住が増えていることが分かる。

 人口減は、市政策推進部の所管。福島さんは自らデータを集めるなどして、コマ割りや内容を考案した。作画は、スマートフォンのアプリを使っている。

ウェブ漫画も

 福島さんは1級建築士の資格を持ち、技術職で入庁した。建造物の図面も得意だが、幼い頃から「北斗の拳」や「ドラゴンボール」を模写するほど漫画のイラストを描くことが好きだったという。

 漫画を初めて広報誌に載せたのは、20年の6月号。公共施設再編をテーマにした特集を作る際、市の広報担当に頼まれたことがきっかけだ。街を襲う怪獣に見立てた「財政リスク」を、老朽化した公共施設が合体したロボットで撃退する――という設定で、なぜ統廃合が必要なのかを説明した。表紙を含む全7ページを完成させるまで、2週間を費やしたという。

 こうした広報誌の漫画が評判を呼び、20~22年には、行政関連の書籍で知られる出版社「ぎょうせい」から依頼を受け、公務員の日常をネタにしたウェブ漫画「ここは、市役所秘書広報課」の連載全45話も担当した。

読ませる工夫

 福島さんが心がけているのは、セリフを極力短くすることだ。「それが難しいテーマでも飽きずに読んでもらえる 秘訣 ひけつです」と語る。毎日1枚、イラストを描き、画力のアップにも努めている。

 北本市の広報誌は月1回の発行。今回の連載は8月号に続き、次回の10月号でも予定している。その後は好評なら連載延長も検討するという。福島さんは「自分の漫画を読んだ子どもや若者に、地元への愛着や関心を持ってもらえれば」と話している。過去の漫画は市のホームページで読むことができる。

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