1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 政治

出馬へ課題、「小石河」悩む…連携機運しぼみ3者が出馬模索 

読売新聞 / 2024年7月28日 5時0分

[政治の現場]総裁選前夜<2>

 「本当にかけがえのない候補者」「自民党の救世主」

 14日、横浜市旭区で開かれた自民衆院議員の古川直季(55)(当選1回)の時局講演会では、元環境相の小泉進次郎(43)の総裁選出馬を望む声が古川らから相次いで上がり、満席の約470人は大きな拍手を送った。

 壇上に立った小泉は「やりにくい雰囲気を作って」と苦笑いを浮かべつつ、党是である憲法改正に触れ、「党ができて70年近く、自民は約束したことにまだ一度も挑んでいない」と語り、早期実現を訴えた。

 小泉の最近の重点テーマは憲法だ。6月中旬、自身の議員事務所に若手議員らを集めた際も「停滞した空気を変えるには改憲だ」と指摘し、出席者は「総裁選出馬の大義名分を探しているようだ」と振り返った。

 抜群の知名度を誇る小泉と、元幹事長の石破茂(67)、デジタル相の河野太郎(61)は「小石河」と称され、報道各社による世論調査の「次の総裁候補」で上位の常連組となっている。

 2021年の前回総裁選では、立候補した河野を小泉と石破が支援した。その後、3人による連携機運はしぼみ、それぞれが総裁選への出馬を模索している。

 石破は27日、鳥取県米子市での県連大会で、「この国を鳥取から変えてみたい。役割が果たせれば、望外の幸せだ」と強い意欲を示した。出馬意向を固めた河野は6月中旬の議員との勉強会で、「夏の間は連絡がつくようにしてくれ」と呼びかけた。

議員支持広がらず

 ただ、小石河はいずれも課題を抱えている。

 最も若い小泉は「政治と党の信頼を取り戻すために何ができるかを考え抜く」と周囲に語り、情勢を注視しながら勝負に出るかどうかをしゅん巡している。父で元首相の純一郎(82)は「50歳までは出馬すべきでない」とブレーキをかけているとの臆測もある。

 石破と河野は議員の支持で広がりを欠く。政権批判をいとわない石破は「党内野党」の立場で人気を得てきたが、その分、敬遠する重鎮やベテランは多く、孤立感が強い。総裁選に過去4回挑み、全敗したのはその弱点があるためだ。

 一部議員には「苦境にあるからこそ、劇薬が必要だ」との期待感もあるものの、かつて支えた経済産業相の斎藤健(65)や元厚生労働相の田村憲久(59)らは離れ、石破周辺は「出馬のための推薦人20人のハードルは高い」と明かした。

 河野は麻生派に所属しつつ、無派閥議員や党員・党友の票に活路を見いだしたい考えだ。もっとも、河野の根回し軽視の姿勢や、歯に きぬ着せぬ発言に眉をひそめる者が麻生派内にも一定数おり、「善戦した前回よりも状況は厳しさを増している」と見る向きが多い。

打てぬ次の一手

 小石河に近い前首相の菅義偉(75)は6月下旬、首相で自民総裁の岸田文雄(66)の交代論に言及したが、「誰が出るかはっきりしないと動きにくい」と漏らし、次の一手を打ちあぐねている。

 今月1日夜には、東京都内の中国料理店で二階派事務総長を務めた元総務相の武田良太(56)とともに、石破と会食した。石破は総裁選には触れず、菅から皇位継承策について尋ねられると、党内保守派が皇室の伝統を覆すとして警戒する「女系天皇」を選択肢から排除しない持論を説明し、その場には微妙な空気が漂った。

 菅は前回、自らの後継者として河野を支援したが、河野が麻生派にとどまっていることにいら立ちを強め、距離が生じている。菅が内心、最も期待しているのは小泉のようだ。

 小泉待望論をぶち上げた古川は講演会後、菅に電話で「勝手に言ってしまい、すいませんでした」とわびを入れた。菅は「言いたいことを言ったのならいいじゃないか」と応じ、満足げな様子を見せた。

 小泉を巡っては、解散を決めた安倍派(清和政策研究会)に影響力を持つ元首相の森喜朗(87)も自民幹部に「小泉なら、清和会をまとめて推せる」と独自の支援構想を口にした。小泉は無派閥だが、父の純一郎は元々、清和会所属だったためだ。

 しかし、派閥の力学で担がれるリスクは大きい。小泉周辺は「有力者の影がちらついた途端、清新さが失われてしまう」と警戒感をあらわにした。(敬称略)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください