広陵 巧みな配球 バッテリー厚い信頼

８回途中まで１失点の好投で、チームを２年連続の甲子園へ導いた広陵・高尾

　全国高校野球地方大会は２７日、１６大会で決勝が行われた。春夏連覇を狙う健大高崎（群馬）が前橋商に競り勝ち、９年ぶりに夏の甲子園出場を決めた。明豊（大分）は４年連続、広陵（広島）、神村学園（鹿児島）も２年連続の出場。大社（島根）は３２年ぶりに代表の座を勝ち取った。

広陵３－１広島商

　広陵の捕手・只石は、決勝の舞台でもエース高尾の調子が上がっていないと感じていた。それでも公式戦で長くバッテリーを組んできた２人だからこそ、勝ち筋を見いだせた。

　制球が定まらない変化球は見せ球に使い、直球を決め球に選択。二回に失策絡みで先制を許したが、五回一死二塁のピンチで緩い変化球を投じた直後に直球で左飛に打ち取るなど、緩急をつけた投球で直球を生かし、追加点を許さなかった。奮闘するエースに打線も応え、三回に追いつき、五回に敵失で２点を勝ち越した。

　高尾と只石は１年生から主力を担い、３度出場した甲子園ではほぼ全ての試合でバッテリーを組んだ。敗れるたびに課題を話し、信頼感を熟成させてきた。高尾はこの日の投球を「良い時の５割ぐらい」という。だが、「一番信頼している」という只石を信じて腕を振り、昨年と同じ顔合わせの決勝で再び伝統校を退けた。２人の甲子園での最後の戦いが幕を開ける。（豊嶋茉莉）

広陵（広島）２年連続２５度目

　◇１９１１年創部。春夏４季連続の甲子園。ＯＢに巨人の小林誠司や元阪神の金本知憲氏ら。私立。