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ディフェンスで頑張ったバスケット日本代表だが「副作用」も…大型布陣の功罪も[編集委員の目]

読売新聞 / 2024年7月27日 23時49分

第4クオーター、シュートを試みるも阻まれる八村塁(27日)=守谷遼平撮影

 パリオリンピックのバスケットボール競技が27日に始まり、男子1次リーグB組の日本は初戦でドイツに77-97で敗れて黒星スタートとなった。

 ドイツと日本は昨年のワールドカップ(W杯)でも対戦していて、日本は18点差で敗れている。その時の前半のスコアは31―53で、後半は32-28と競り合った。W杯では前半の失点が痛かったわけで、パリ五輪初戦のこの日は日本の前半に注目した。シュートがリングに嫌われて開始から2分以上ノーゴールという展開ながらも日本はリバウンドで体を張って耐えた。第1クオーターのリバウンド数は11-9。ひとけた点差で追いすがった前半終了時点で18―14、40分間でも39-36。オフェンスリバウンドは12-5で、それだけ攻撃回数も増やした。W杯王者を相手に、特筆すべき内容だった。

 日本のスタートの5人は河村のワンガードで、あとは渡辺雄、吉井、八村、ホーキンソンとサイズの大きな編成。開幕直前にドイツに100点ゲームを許した強化試合では足を故障していた渡辺雄の代わりに富永が入っていた。そして五輪本番、ドイツの高さにこちらも大型布陣で臨み、リバウンドで数字を取ったことは大きな収穫だ。

 しかし、オフェンス面ではその大型編成のためにインサイドのスペースがうまく作れずに河村とホーキンソンのピック・アンド・ロールなどの連係に課題を残したのは象徴的だった。インサイドを固めようとすると、こうした「副作用」も起きる。それを打ち消すのが2番、3番ポジションあたりのシューターの役割だが、特に富永のプレータイムはこの試合では1分以下で、ほとんどボールにも触っていない。

 後半はファウルトラブルで河村がベンチに下がった時間帯があり、ミスで相手にボールを渡すターンオーバーも13と目立った日本。ディフェンスを頑張り、3本柱の八村、渡辺雄、ホーキンソンは額面通りの活躍を見せたが、フィールドゴール確率はドイツの54%に対して日本は36%にとどまり、攻撃の持ち味を存分に出せずじまい。大善戦の試合の中で、大型編成で臨んだ布陣の、プラス面とマイナス面があらわれたように見えた。(編集委員 千葉直樹)

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