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角田夏実、柔術や「サンボ」練習し奇襲攻撃が武器に…正統派柔道の対極的戦術で「金」

読売新聞 / 2024年7月28日 5時0分

柔道女子48キロ級で金メダルを獲得し、笑顔を見せる角田夏実(27日、パリで)=上甲鉄撮影

 パリオリンピックは27日午後(日本時間28日未明)、柔道女子48キロ級の決勝が行われ、初出場の角田夏実(SBC湘南美容クリニック)が、バーサンフー・バブードルジ(モンゴル)に、優勢勝ちし金メダルを獲得した。

 「柔道大国」フランスの畳で初出場の角田が栄冠をつかみ、日本に夏季五輪500個目のメダルがもたらされた。節目のメダルはお家芸の柔道。97個を獲得した歴代五輪代表の中でも、31歳の角田は異色の経歴の持ち主だ。

 いわゆる「柔道エリート」ではない。千葉県八千代市出身。八千代高時代は全国高校総体で3位に入ったことはあったが、五輪出場は夢のまた夢。卒業後の進学先も、決して強豪とは言えない東京学芸大だった。

 しかし、ここで運命が動いた。発展途上の柔道部には学生が自主的に練習を工夫する気風があった。OBらの手引きでブラジリアン柔術やロシアの格闘技「サンボ」の練習をすると寝技や関節技、ともえ投げが得意技に。内股や背負い投げなどに代表される正統派の柔道とは対極的な奇襲攻撃を武器に頭角を現した。五輪は夢でなくなった。

 52キロ級で出場を目指した東京五輪は、阿部詩(パーク24)の壁に阻まれて落選。48キロ級に階級を変えてパリを目指した。減量はきつかったが、「新しくできた目標を諦めたくなかった」。

 卒業後の今でも母校に足を運び、後輩の学生たちと技を磨く。「夏暑くて、冬寒い道場です」と笑うが、「ここだから思う存分楽しく柔道を学べた」。五輪の大舞台でも、ともえ投げや関節技が面白いように決まり、モンゴル選手との決勝で技ありを奪って金メダルをもたらした技も、ともえ投げだった。48キロ級での日本の金メダルは、谷亮子さんが制した2004年アテネ大会以来、20年ぶり。遅咲きの女王は独自の道で頂点へ駆け上った。(小高広樹)

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