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世界遺産目指し30年、地元関係者ら歓喜…「佐渡の宝が世界の宝になる」

読売新聞 / 2024年7月28日 8時52分

金色のスティックバルーンをたたき、世界遺産登録の決定を喜ぶ住民ら(27日、新潟県佐渡市で)

 新潟県佐渡市の「 佐渡島 さどの金山」が27日、国内21件目の世界文化遺産に登録されると決まった。住民の理解を得ることや韓国の反発などに困難もあったが、実現に向けて30年近く活動を続けてきた地元関係者には「佐渡の宝が世界の宝になる。江戸時代から続く文化を大切にしたい」と歓喜の声が広がった。

 佐渡市ではこの日、市民ら200人ほどが、パブリックビューイング(PV)でインド・ニューデリーで開かれた世界遺産委員会の審議を見守った。登録決定の瞬間、元県議会議長で市民団体「佐渡を世界遺産にする会」会長の中野洸さん(83)は「ほっとした。胸がいっぱいになった」と満面の笑みを浮かべた。

 登録への機運が高まったのは、関連遺跡が国史跡に指定された1994年。同会の前身となる団体が97年に発足し、官民一体の運動が本格化した。

 だが、当初は「世界遺産になるわけがない」「島の開発ができなくなる」と冷ややかな見方が多かった。2004年に市町村合併で佐渡市が誕生し、現在の市世界遺産推進課を設置して住民への呼びかけに力を入れると風向きが変わり、中野さんは「島民の一体感が生まれた」と振り返る。

 韓国はこれまで、戦時中の金山は「強制労働」の現場だったと主張。中野さんは日本国内での推薦が危うくなると懸念し、繰り返し上京して関係省庁に足を運び要望を続けた。長年の苦労を知り、一緒にくす玉を割って喜んだ地元の市民団体「笹川の景観を守る会」会長の金子一雄さん(64)は「ようやく思いを達成できた。世界が認めてくれた」と声を震わせた。

 ニューデリーの審議に出席した花角英世知事は、中継でPV会場にメッセージを送った。国の特別天然記念物トキで知られる自らの出身地に世界遺産の金山も加わることになり、「世界に誇れる宝を持つ佐渡は素晴らしい」と語った。

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