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フランスの観衆あぜん「まるで腕が4本あるよう」…柔道の31歳角田夏実、圧巻の「金」

読売新聞 / 2024年7月28日 9時12分

女子48キロ級決勝、ともえ投げで技ありを奪う角田夏実(下)=関口寛人撮影

 パリ五輪の柔道は27日、男女各1階級が行われ、女子48キロ級で2023年まで世界選手権3連覇の角田夏実(SBC湘南美容クリニック)が金メダルに輝いた。同級の日本勢の優勝は04年アテネ大会の谷亮子以来20年ぶり。決勝では今年の世界選手権を制したバーサンフー・バブードルジ(モンゴル)から技ありを奪って優勢勝ちした。男子60キロ級の永山 竜樹 りゅうじゅ(SBC湘南美容クリニック)は準々決勝でスペイン選手に敗れたが、3位決定戦でトルコ選手に一本勝ちして銅メダルを獲得した。

 ともえ投げと腕ひしぎ十字固め。31歳でようやく初の五輪へとたどり着いた角田の必殺技がパリの畳でも輝いた。モンゴル選手との決勝では、ともえ投げで技ありを奪い完勝。堂々の金メダル獲得だ。

 初戦から自分の柔道にこだわった。最初の2試合はともえ投げで技ありを奪い、流れるように腕ひしぎ十字固めに移行して勝利。圧巻だったのは地元の大声援を受けるシリヌ・ブクリ(仏)との準々決勝だった。ともえ投げに入ると、まるで腕が4本あるかのように相手を操り、背中から畳へ沈めた。わずか1分で一本勝ちを収め、大観衆をあぜんとさせた。

 相手をつかんで後ろに倒れ込んで投げる技の途中の形が、漢字の「 ともえ」の形に似ていることから、「ともえ投げ」。決まらなければ流れで関節技へ。どんな試合、どんな相手でも繰り返してきた。今や世界に知れ渡る角田の代名詞だ。

 得意技は、不安な気持ちを 払拭 ふっしょくするための徹底的な研究で磨かれた。「私はネガティブで、なんでもかんでも不安に感じてしまう」と角田は言う。かつては消極性を招いたこともあったが、今は不安なことは自らの課題だと受け止める。「一つ一つ解決して、全部を出して、試合までにここまでやって負けたならしょうがない、と思えるほど準備する」。新鋭のスウェーデン選手と対戦した準決勝では相手の徹底マークで得意技が決まらなかったが、普段はあまり見せない投げ技も繰り出すなど、研究の上を行く戦いを見せた。

 柔道の女子日本代表最年長の31歳。夢の大舞台でも角田は自分だけの柔道を貫き通し、まばゆい輝きを放った。(小高広樹)

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