５度目出場のカヌー・羽根田卓也、準決勝に進出…憧れの存在が束ねる大会の出場に喜び

カヌーの男子スラローム・カナディアンシングルで準決勝に進出した羽根田卓也（ＡＰ）

　パリオリンピックは２７日の男子スラローム・カナディアンシングル予選で５大会連続出場の羽根田卓也（ミキハウス）が１３位となり、準決勝に進出した。

　羽根田にとって、大会組織委員会のトニー・エスタンゲ会長は憧れの存在だ。同じ種目で五輪を３度制した英雄が束ねる大会に、「五輪の素晴らしさ、 醍醐 （だいご）味、楽しさを十分に満喫したい」と臨んだ。

　エスタンゲ氏ほどではないものの、羽根田も日本カヌー界の歴史を切り開いてきた。２０１６年リオデジャネイロ大会で３位に入り、日本勢初のメダルを獲得。東京大会は、コロナ禍による１年延期などに 翻弄 （ほんろう）されて１０位。それでも歩みを止めず、今大会が５回目の五輪となった。

　巧みなパドルさばきを見せた３７歳のベテランは「誰にでも重ねられる回数ではない。挑戦できることを幸せに思いながら、できるだけ高みを目指して頑張っていく」。先駆者の挑戦は、まだ終わらない。（田上幸広）