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後半に伸びなかった池江選手、17歳平井選手は決勝でベストタイムに期待…女子100メートルバタフライ[柴田亜衣さんの目]

読売新聞 / 2024年7月28日 12時51分

 パリオリンピックの競泳は27日、女子100メートルバタフライ準決勝が行われ、予選を全体2位で通過した平井瑞希(ATSC・YW)は1組3着の56秒80(全体7位)で翌日の決勝進出を決めた。予選を全体14位で通過した池江璃花子(横浜ゴム)は同組6着の57秒79で、上位8人による決勝進出はならなかった。2人の泳ぎを、2004年アテネ五輪女子800メートル自由形金メダリストの柴田亜衣さんが解説する。(デジタル編集部)

 池江選手は、準決勝では前半のタイムも入りもよく、56秒台が出るかと思ったが、最後は10~15メートルぐらいからバテてきたように見えた。予選は自分の体が思うように動かなかったのと、想定していたタイムより遅かったので、その結果を受けて、自分の調子が悪いのか、うまくはまっていないのか、というような不安が少なからずあったのではないか。準決勝では予選のタイム(57秒82)より、1秒くらい上げないと決勝ラインが見えてこないと思うと、積極的にいくしかない。行かなければ、という気持ちが準決勝後半の失速に表れてしまったのかもしれない。

 病気を克服して、五輪に向けていい練習ができていて、本人もそれなりのタイムを出せる自信はあったと思うので、その分ショックが大きく、準決勝後の「頑張ってきた分だけ無駄だったのか」というコメントになったのかもしれない。でも、今年3月の五輪代表選考会では復帰後のベストで泳いでいるし、積み重ねてきたものが無駄なわけでは絶対にない。そこは自分を認めてあげてほしい。

 インタビューでは「4年後のリベンジ」も口にしていた。オリンピックは4年に一度しかない特別なもので、まだ頑張るんだという彼女の強さをその言葉で感じた。1年1年をしっかりと積み重ねていけば、4年後も目指せる。若い選手も出てくるだろうが、最近はベテランの選手も世界的にいっぱいいるし、何より日本チームには鈴木聡美選手というお手本がいる。

 平井選手は、準決勝の前半はベストラップだったと本人も言っていた通り、調子は良さそうだ。予選ではレース途中で水を飲んでしまったと言っていた。私は試合では記憶がないが、50メートルの男子などはすごい波が起きるので、意図せずに口に水が入ってくることはあるだろう。パリ五輪のプールの水深は国際主要大会の会場より少し浅いとのことで、いつもより波が起きやすいのかもしれない。

 次は決勝だ。後半も落ちないのが平井選手の持ち味で、そこがうまく出せれば、ベストタイムも期待できる。準決勝は7位通過で、端の第1レーンを泳ぐ。中央のレーンで周りを意識しすぎると自分のレースができないこともある。逆に「自分の泳ぎに集中できるいいコースだ」という気持ちで泳いでもらいたい。

しばた あい 1982年福岡県生まれ。3歳で水泳を始め、鹿屋体育大学2年で日本代表入り。2004年アテネ五輪女子800メートル自由形で日本人の女子自由形選手では初の金メダルを獲得。08年北京五輪出場後に現役を引退。女子400メートル自由形 (4分05秒19)と女子1500メートル自由形(15分58秒55)の日本記録保持者。

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