イランに改革派の新大統領就任…対話路線を重視、演説で「団結」呼びかけも保守強硬派は抵抗か
読売新聞 / 2024年7月28日 20時0分
【テヘラン=吉形祐司】イラン大統領選で当選した改革派のマスード・ペゼシュキアン氏(69)は28日、首都テヘランで最高指導者アリ・ハメネイ師の認証を受け、大統領に就任した。国際協調路線と核開発をめぐる制裁の解除を公約に掲げたペゼシュキアン氏は演説で繰り返し「団結」を呼びかけたが、保守強硬派の抵抗が予想されている。
ペゼシュキアン氏の任期は4年。30日には国会で就任宣誓式が行われる。対話路線を重視する改革派の大統領は19年ぶりで、ペゼシュキアン氏は世界との「建設的で効果的」な関係を訴えた。イスラム的な価値に根ざした国民の自由や社会正義、権利などを追求する姿勢を示した。対米交渉や制裁には直接的には触れなかった。
イランでは国会など国の主要機関を保守強硬派が支配しており、強硬派の懐柔はペゼシュキアン氏の大きな課題となる。カギは、主要政策の最終決定権を持つ最高指導者のハメネイ師の後ろ盾を得られるかどうかにある。
ハメネイ師は28日の認証式で「好ましい人物が大統領に選ばれた」と述べ、二極化や争いを避けるために国会や司法府、軍に行政府への協力を求めた。
しかし、ハメネイ師は核交渉の相手の一角である欧州各国との協議を「優先事項に挙げない」として、過去の制裁などを理由に列挙した。米国については名指しせず、「我々を苦しめ、困らせたことを忘れない」と述べた。米欧との交渉の実現には、困難が予想される。
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