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阿部詩に会場から「ウタ・ウタ・ウタ」…恩師「詩だって人間」「負けて強くなるのが詩という柔道家」

読売新聞 / 2024年7月28日 20時46分

2回戦で敗れ、泣き崩れる阿部詩(28日、パリで)=荒木優斗撮影

 パリ五輪の柔道は28日、男女各1階級が行われ、連覇を狙う男子66キロ級の阿部一二三(パーク24)は2戦連続で一本勝ちし、準決勝に進んだ。妹で同じく連覇を狙った女子52キロ級の阿部詩(パーク24)は2回戦でディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)に一本負けし、敗退した。

 兄の一二三選手とともに連覇に挑んだ女子52キロ級の うた選手(24)は、一本負けで夢がついえた。号泣して歩くことすらできない。立ち上がり、前を向いて――。会場からは「詩コール」が湧き起こり、恩師は励ましの言葉を送った。

 一本勝ちして進んだ2回戦に、落とし穴が待っていた。得意の内股で技ありを奪い、優勢に進めていた試合の3分過ぎだった。ウズベキスタンの選手に背中からたたきつけられた。

 敗戦を受け入れられない。ぼう然とした表情のまま、何度も頭を抱えた。相手選手との礼を終えると、涙が止まらなくなった。畳を降りると、しゃがみ込む。

 「ウヮー」。人目もはばからず、大声を上げた。柔道着で何度ぬぐっても、涙が止まらない。2分ほど立ち上がれず、泣き続けた。

 そんな前回覇者を励ますように、立ち上がった多くの観客が「ウタ、ウタ、ウタ」のかけ声を響かせた。詩選手が平野幸秀コーチに支えられて会場を後にする際には、拍手が送られた。

 金メダルを獲得した東京五輪後の2021年秋、詩選手は両肩の手術に踏み切った。それまでに何度も脱臼し、激痛が走っていた。約8か月のリハビリを経て復活すると、22年と23年の世界選手権を制し、五輪連覇を目指していた。

 夙川中学・高校(神戸市)時代に指導した垣田恵佑さん(33)は「この舞台にたどり着いただけでもよく頑張った。いくら強くても、詩だって一人の人間。本人にしかわからない重圧があったのだと思う」とおもんぱかった。

 高校1年の時、全国高校総体で初戦負けした時も、それを糧にした詩選手。垣田さんは「負けて、さらに強くなるのが阿部詩という柔道家。気持ちを整理し、良い経験と捉えて成長につなげてほしい」と願った。

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