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東北の大雨、山形内陸で流された屋形船が100キロ離れた秋田に漂着…転覆せず「よくたどり着いた」

読売新聞 / 2024年7月29日 15時10分

 記録的な大雨に見舞われた秋田県由利本荘市では、泥水につかった家財道具などの「災害ごみ」が大量に発生し、市民らが開設された仮置き場に次々と車で持ち込んでいる。秋田地方気象台は30日にかけて県内全域で大雨が予想されるとし、引き続き土砂災害や低い土地の浸水などに注意を呼びかけている。

 同市は26日から、由利、東由利両地区の計6か所に臨時の仮置き場を開設。由利地区の森子集落では28日、仮置き場となった神社前の広場に軽トラックなどが頻繁に出入りし、「家電」「畳」「不燃ごみ」などの立て札の前は、瞬く間にごみが山のように積み上がっていった。

 家具を持ち込んだ男性は「もう何往復したかわからない」とうんざりした様子。小枝などをスコップで軽トラックの荷台から下ろしていた高齢男性は「ハウスの中に水が運んできたごみが積もった。明日に終われば御の字」とため息をついた。

 同市では、浸水被害を受けた家庭で片付けなどにあたるボランティアの受け入れを30日から始める予定だ。登録は29日から行われる予定で、詳細は同市社会福祉協議会(0184・23・5519)へ。

 同気象台によると、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込む影響で、県内は30日にかけて全域で大雨が見込まれる。29日午後6時までに予想される24時間降水量は多いところで120ミリとなっている。

 また、秋田河川国道事務所と同気象台は28日午後1時から、堤防が決壊した由利本荘市内の子吉川と石沢川について、氾濫危険水位などの基準を暫定的に引き下げた。二十六木橋(子吉川)、鮎瀬(石沢川)両水位観測所の設定の見直しで、期間は堤防の緊急復旧工事が終了するまで。

 秋田県にかほ市の金浦漁港に27日、山形県内陸部の戸沢村から、ここ数日の大雨で流された屋形船1隻が漂着しているのを漁師が見つけた。最上川と日本海を漂い、約100キロを転覆せずに進んだとみられ、関係者は驚いている。

 漂着したのは、同村で最上川の船下り観光船を運航する「最上峡芭蕉ライン観光」の「第1もがみ丸」。岩や流木にぶつかったのか、屋根や壁はなく、エアコンの室外機や椅子などに損傷があるが、船体に穴はないという。

 船は27日朝、同漁港近くの岩場に漂着していた。見つけた地元の漁師らが船内の書類で所有会社を確認し、同社に連絡。同社の要請で船を岸壁まで引航してロープで固定した。

 同社によると、大雨で最上川が増水した影響で所有する16隻のうち5隻が流され、同船はその一つ。残る4隻は見つかっていないという。

 同漁港で同船を確認した一人、にかほ市の漁師の男性(53)は「よくたどりついたものだ。運のいい船は大切にしないといけない」と話していた。

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