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アニメ「小市民シリーズ」の聖地・岐阜市にファン続々…JRとコラボ、観光機運盛り上がりに期待

読売新聞 / 2024年7月29日 10時15分

名古屋駅ではJR東海制服姿のパネルが展示されている

 直木賞作家・ 米澤穂信 よねざわほのぶさんのミステリー小説「〈小市民〉シリーズ」がアニメ化され、今月からテレビ放送が始まった。岐阜市をモデルとした作品で、市内の実在する場所を 彷彿 ほうふつとさせるシーンが次々と登場しており、「聖地巡礼」をするファンが早くも現れている。観光の機運を盛り上げようと、JR東海など企業もコラボ企画を打ち出している。(小島駿佑)

高校生コンビが活躍

 「<小市民>シリーズ」は、「氷菓」「 黒牢城 こくろうじょう」などの作品でも知られる米澤穂信さんによる人気学園ミステリー。第1作「春期限定いちごタルト事件」が2004年12月に刊行され、今年4月には最新作「冬期限定ボンボンショコラ事件」が発売、約20年かけて春夏秋冬の4作がそろった。

 ストーリーは、名探偵になどならず、「小市民」(一般人)としてつつましく生きたいのに謎に出合う高校生・ 小鳩常悟朗 こばとじょうごろうと、スイーツと報復に執着する同級生 小佐内 おさないゆきのコンビを軸に展開される。ミステリーの中でも死者が出ない「日常の謎」作品に分類される。

 テレビアニメはテレビ朝日系で放送が始まった。第1話「羊の着ぐるみ」は2人が高校に入学し、なくなったポシェットの謎を解き明かす物語が描かれた。インターネットテレビ「ABEMA」の配信では28日時点、29万回以上再生されるなど注目が高まっている。

実在の県立高モデル

 2人が通う架空の「船戸高校」は岐阜市内の普通科高校がモデルとされるなど、作品と岐阜との縁は深い。テレビアニメでも県立岐阜北高校(岐阜市)が参考にされた。透明感ある作画で、建物や背景が 緻密 ちみつに描かれ、ファンらもアニメと実際の場所を見比べながら写真撮影などを楽しんでいる。

 岐阜市観光コンベンション課ロケツーリズム推進室によると、昨春頃に製作関係者がロケーションで岐阜を訪れた。同室の仲介で市内の岐阜柳ヶ瀬商店街、忠節橋周辺などを数日間、撮影して回ったという。

 岐阜市常盤町の洋菓子店「AND LADY(アンドレディ)」は、第1話で2人がイチゴタルトを買った店のモデルになっている。アニメで登場し、モデルになった場所を訪れる「聖地巡礼」も既に起こっているといい、オーナーは「千葉や茨城、新潟から来たという人もいた。予想以上の反響がある」と驚いていた。

 アニメのエンディングの背景には、長良川や岐阜柳ヶ瀬商店街など「岐阜ならではの風景」が採用されている。同室の担当者は「観光案内所にも問い合わせが来ている。市としても機運を盛り上げていきたい」と期待を寄せている。

JRもキャンペーン

 JR東海では31日まで、自分のイチ推しに会いに行くのを応援する「推し旅コラボキャンペーン」を展開している。

 東海道新幹線に乗った時しか聞けない、メインキャストによるトークを配信。作品の魅力や演じる上での裏話などが聞ける。オリジナルボイスを聞いた後に岐阜駅に行くと、切符風記念カードがもらえる。

 岐阜駅で専用インターネットサイトに接続してアンケートに回答するとスマホ用の壁紙を入手できる。駅隣接のアスティ岐阜館内で1000円(税込み)以上を買うと、描き下ろしステッカーが贈られる。

 岐阜駅ではJR東海の制服を着た小鳩常悟朗、小佐内ゆきのイラストを特別展示している。名古屋駅でも一時展示され、多くのファンが訪れた。

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