連覇の阿部一二三、誇らしげに腕突き上げる…「妹の分まで兄が頑張らないとと思っていた」

柔道男子６６キロ級で２連覇を果たした阿部一二三選手（２８日、パリで）＝関口寛人撮影

　２８日に行われたパリオリンピックの柔道男子６６キロ級で、阿部一二三（パーク２４）が２連覇を達成した。４試合中３試合が一本勝ちと危なげなく２度目の頂点に立った。

　唯一、接戦となったのが、世界ランキング１位のデニス・ビエル（モルドバ）戦。どちらも技によるポイントを奪えないまま延長戦に入った。ただ延長戦の開始９秒、払い腰で技ありを奪った。

　決勝は、隅落としと袖釣り込み腰で技ありを奪い、合わせ技一本。完勝で金メダルを獲得した。

　連覇に満面の笑顔と、左右の人差し指を立てながら腕を突き上げるポーズで誇らしげに喜びを表した阿部。試合直後のインタビューでは「最高の思い」と語った。

　東京五輪からの歩みについては「すごい苦しい思い、しんどい思いばかりで、そんなに楽な道ではなかった」と振り返った。

　また、この日は２回戦で、妹の詩がまさかの敗戦。涙に暮れる姿を目の当たりにした。これについては、「今日、妹が負けてしまって。僕自身もすごい苦しい一日だった。妹の分まで兄が頑張らないと、と思っていた」と話した。