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「鬼が宿った背中」の阿部一二三、パワーでV2…目指すは「まだまだ成長」「五輪4連覇」

読売新聞 / 2024年7月29日 1時39分

 【パリ=読売取材団】第33回夏季五輪パリ大会は第3日の28日、柔道男子66キロ級の阿部 一二三 ひふみ(26)(パーク24)が決勝でブラジル選手を破り、五輪2連覇を果たした。

 柔道男子66キロ級を制した阿部一の背中には、まるで鬼が宿っているようだ。分厚い柔道着に隠された背筋は、筋繊維が皮膚の上からうっすら見えるほど。相手の攻撃を寄せつけず、一瞬で相手を担ぎ上げて畳に沈める爆発力は、「小さい筋肉を大事にして、爆発的な力を相手に伝えられるようにしたい」と、東京五輪の後から重点的に取り組んだトレーニングのたまものでもある。

 準々決勝でその力を見せつけた。体幹の強さを武器とするヌラリ・エモマリ(タジキスタン)が仕掛けた力勝負の密着戦を食い止め、体を寄せきったまま大内刈りで強引に畳へたたきつけて合わせ技の一本勝ち。「全方位に強い柔道をしたい」という阿部一らしい勝ち方だった。ウィリアン・リマ(ブラジル)との決勝も豪快だった。最後は得意の袖釣り込み腰で技ありを奪い、合わせ技で一本勝ち。妹の詩が無念の涙を流した畳で兄は歓喜の時を迎えた。

 パワーが増したことで、戦いに安定感と幅が出た。投げを警戒して体重を後ろにかけた相手には大外刈り。前に出てくれば足技を飛ばす。それでも「もっとできることはたくさんある。絶対にまだまだ成長して強くなれる」と自分自身の可能性を信じている。

 圧倒的な強さで五輪を2連覇。3連覇がかかるロサンゼルス五輪に向け、立ちはだかるのは、やはり国内のライバルだろう。自身が出場しなかった今年の世界選手権の決勝は、田中龍馬(SBC湘南美容クリニック)と武岡毅(パーク24)の日本人対決だった。次を目指すには、まずは2人の挑戦を受けることになる。新たなライバルとの戦いを力に変え、「五輪4連覇」への道を突き進む覚悟だ。(小高広樹)

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