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「官民ファンドの運営改善」財政審が財務省に要請へ、損失発生時の適時報告など求める

読売新聞 / 2024年7月29日 5時0分

財務省

 財務省の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が財政投融資(財投)の見直しに向けてまとめた提言案が判明した。財投を活用した官民ファンドが巨額損失を計上した問題を受け、出資者である財務省に運営改善を求める。安定的な財源確保に向けた法改正も促す。

 財政審の分科会が月内にも開く会合で、提言を盛り込んだ報告書を決定する。

 財投には、政策的な必要性は高いが民間だけではリスクを取りにくい事業に国が投資や融資を行う「産業投資」がある。ただ、深刻な収益悪化に陥ることもあり、直近では国土交通省が所管する「海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)」の巨額損失が問題となった。

 JOINは企業の海外インフラへの投資などを支援しているが、米国での鉄道事業の先行きが不透明になったことなどで、2023年度決算で799億円の損失を計上。今年3月までに実行した総額約2500億円の投融資のうち約4割の回収が難しくなった。

 財政審の提言案では、財務省が出資先のファンドなどの企業統治(ガバナンス)を強化すべきだと強調。ファンドや所管省庁に、〈1〉損失発生や収益低迷の原因について適時報告〈2〉投資方針の見直しやリスク管理の強化〈3〉組織態勢に問題がある場合、経営体制の見直しなどの抜本的対応――を求める。

 ファンドで改善されない場合、追加の財投の見合わせや、株主総会で経営体制の刷新を求める議決権行使などで「厳格に対応していくべきだ」と指摘する。

 財源については、現状は政府が保有するNTT株や日本たばこ産業(JT)株の配当金などに限られ、投資できる額が毎年度変動し、翌年度以降に繰り越しできない。提言案では、繰り越しや借り入れによる資金調達などができるよう関連法改正を検討することも盛り込む。

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