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加納虹輝に満員の観客席から総立ちの拍手、日本選手2人破った1m96のフランス選手に完勝…完全アウェーで隙ない攻守

読売新聞 / 2024年7月29日 11時48分

フェンシング男子エペ個人決勝で果敢に攻める加納虹輝(右)(28日)=三浦邦彦撮影

 パリ五輪のフェンシングは28日の個人戦で、男子エペの加納虹輝(JAL)が金メダルを獲得した。個人種目での日本勢の五輪制覇は男女を通じて初。加納は2021年東京大会の団体に続いて2大会連続の金メダルとなった。山田優(山一商事)は準々決勝で、見延和靖(ネクサス)は3回戦で敗退。女子フルーレは、東 晟良 せら(共同カイテック)、上野優佳(エア・ウォーター)、宮脇花綸(三菱電機)がいずれも初戦で敗れた。

 ヤニク・ボレルとの間合いを計りながら小刻みにステップを踏んだ、次の瞬間だった。加納は鋭い出足で懐に飛び込んで、上半身を一突き。会心の15点目で試合を決め、個人で日本フェンシング界初の金メダルをつかんだ。

 大国フランスのエースを周到に攻略した。序盤は、身長1メートル96で長い手足と腕力で押し込むボレルに対して、無理に前に出ず、「攻めてきたところでカウンターを狙った」。守勢を保ちつつ徐々にリードを広げると、焦った相手の攻撃はさらに粗くなり、中盤以降は速さで勝る加納が得点を重ねる独壇場となった。

 簡単にしのげる攻撃ではない。3回戦で見延和靖、準々決勝で山田優を下して決勝進出した難敵。見延が「剣で多少押さえたくらいでははじき返される」、山田が「剣が重なったらゴチャッと自分の剣が持っていかれる」と振り返る一撃を受け止めつつ、反撃する力と技術が1メートル73の小柄な体には備わっていた。

 「日本が2人負けていて、3人目になるわけには絶対にいかなかった」と加納。当初は完全アウェーの様相だったが、隙のない攻守で当地のヒーローに完勝した日本の騎士に、最後は満員の観客席から総立ちの拍手が送られた。フェンシング大国も認める王者にふさわしい戦いぶりだった。(佐野司)

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