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エペ「金」加納虹輝、日本人初の「キング・オブ・フェンシング」王者…満員の観客から拍手

読売新聞 / 2024年7月29日 13時26分

フェンシング男子エペ個人でフランスの選手を破り、金メダルを獲得した加納虹輝(右)(28日、パリで)=三浦邦彦撮影

 フェンシング発祥の地で快挙を成し遂げた。男子エペ個人で史上初の金メダルを獲得した加納 虹輝 こうき選手(26)。「キング・オブ・フェンシング」と呼ばれ、欧州で最も競技人口が多いエペでの優勝に、観客からは大きな拍手が送られ、日本でも祝福の声が上がった。

 決勝で向き合ったのは、4大会連続出場のベテランで地元フランスのヤニク・ボレル選手(35)。加納選手は、持ち味のフットワークと素早い剣さばきで相手を圧倒し、一度もリードを許さない。

 試合を決める15点目を奪った瞬間、顔を覆うマスクを取って両手を天に突き上げる。一斉に立ち上がった満員の観客から拍手が鳴りやまなかった。加納選手は国旗を背負い、勝利をかみしめるようにゆっくりとピスト(競技台)を走った。

 観客席で見守った父の政光さん(52)と母の貴子さん(54)は優勝した瞬間、手を取り合い、跳び上がって喜んだ。表彰式後、金メダルをかけてもらったという。

 政光さんは「息子が金メダリストになるなんて、想像もしていなかった。息子は決勝は一番集中できていて、落ち着いてみられた」と笑顔で話した。

 高校から愛知県あま市の親元を離れ、山口県岩国市の岩国工業高で腕を磨いた加納選手。政光さんは「岩国の人に育ててもらった。感謝しかない」と語り、貴子さんは「また次の目標ができると思うので、そこに向かって頑張ってほしい。まずは疲れを癒やしてもらえたら」とねぎらった。

 フランスの観客が会場の多くを占める中、日本人も加納選手を後押しした。パリ在住で俳優の中原開世さん(22)は、日の丸を掲げて応援した。「感無量。アウェーの中でも堂々と戦った加納選手はすごい。本当に来てよかった」と興奮していた。

 岩国市では観戦会が開かれ、母校の先輩らが金色のスティックバルーンを振って声援を送った。高校時代に監督だった本間邦彦さん(46)は「本当に危なげがなく、安定した試合運びだった」と振り返った。

 決勝前、本間さんがLINEで「(決勝の相手の)ボレルいけそう?」と尋ねたところ、「強いですけどいけます」と返信があったという。「おめでとうと言葉をかけてあげたい。団体戦もあるので、気を抜かずに頑張ってほしい」とエールを送った。

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