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3点シュート以外で強豪をどう攻略するか、日本女子は小さい布陣のデメリットが目立った[萩原美樹子さんの目]

読売新聞 / 2024年7月30日 8時20分

 パリオリンピックのバスケットボール女子1次リーグC組で、2大会連続のメダル獲得を目指す日本は29日、オリンピック7連覇中のアメリカに76-102で敗れて黒星スタートとなった。日本人初のアメリカ女子プロバスケットボールリーグ(WNBA)プレーヤーで、五輪でも活躍した元日本代表・萩原美樹子さんが解説する。

 強くてスキがなかったアメリカに対して、日本は持ち味のオフェンスが十分に機能しなかった。相手が消しにくる3点シュートを40%近く決めたところは及第点だが、スリー以外で、どう点を取るかというところで、表現しきれなかった。特に、相手のスイッチディフェンスに対してミスマッチができたところでの攻撃だ。前半はペイントエリアの付近で2点シュートが取れずに相手を攻略できなかった。アメリカ選手はリーチがあり、伸ばした手で日本はボールをカットされてターンオーバーから走られるなど、全体としてかみ合わなかった。

 今大会、ガード陣を厚くしてスモールラインアップで臨んだ日本、コート上の5人全員が打てるという「強み」であるスリーの数字が上がったのは良かったが、この試合に限ってみればデメリットの方が多く出たと言わざるを得ない。

負けても警戒される存在に

 ディフェンス面で、日本は全体的に小さいので、相手がポストやインサイドを突いてきた時、一枚では守りきれずに複数の選手でダブルチームにいく。そこは止まるが、次の展開でシュートやパスをされた時に、リバウンドなどのボールを取りに行くのが小さい選手になってしまう。こうしたディフェンスの「ローテーション」でのリバウンドが小さくなってしまうことは以前から課題となっていた。相手選手に絡む枚数を増やしてなんとか防ごうとする局面はあったが、アメリカはサイズと速さがあり、日本がボールを取り切れなかった。

 アメリカは日本のアップテンポの試合に対応するため、主力も休ませながら、12人の選手をすべて使い切った。最もプレータイムの長かった選手でも25~26分。バランスよく時間を配分した。そのあたりはベンチのマネジメントもさすがだった。

 前半のアメリカ選手の顔つきを見ると、本記の感じが漂ってきた。絶対王者をああいう表情にさせる日本は、敗れはしたが、世界の強豪にここまで警戒される存在になったということだろう。

はぎわら・みきこ 1970年福島市生まれ。10歳からバスケットを始める。県立福島女子高校(現・県立橘高校)卒業後、89年に共同石油(現ENEOS)入社。93年から4年連続日本リーグ得点王。96年アトランタ五輪代表で7位入賞(得点ランキング5位)、97~98年に日本人では初めてWNBAでプレー。99年に現役引退し、04年アテネ五輪で女子日本代表アシスタントコーチ。15年から日本バスケットボール協会女子ジュニア専任コーチとして、U19女子ワールドカップ4位入賞など。21年からWリーグ・東京羽田ヴィッキーズHC。

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