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「日本の鉄道技術は世界最高レベル、次世代の製品デザインとエンジニアリングに力を入れていく」…日立製作所のジュゼッペ・マリノ執行役専務

読売新聞 / 2024年7月29日 17時30分

日立製作所のマリノ氏(東京都千代田区で)

 日立製作所は、鉄道事業で世界大手の一角に食い込む。強みのITを活用し、運行システムなどを手がけており、英国を始め、欧州各地で売り込みを強化している。鉄道部門のトップを務めるジュゼッペ・マリノ執行役専務が、読売新聞などの取材に答えた。(村瀬駿太郎)

タレス社の鉄道信号事業買収…技術革新の力大きく

 ――日立の鉄道事業について。

 「11の製造拠点、300を超えるグローバルの顧客があり、今年度の売上高は73億ユーロ(約1・2兆円)を見込む。仏電子機器大手タレス社の鉄道信号事業(GTS)を買収したことで、従業員の数は9000人増えて2万4000人になる。研究開発と技術革新の力が大きくなることになった。

 今後の成長に必要な基盤がすべてそろった。日立グループが持つデジタルとサステナビリティーの強みを生かすことができるはずだ。鉄道の分野では非常に多くのデータが使われている。それらのデータを最先端の方法で扱うことで、故障を減らし、信頼性を高めることができる。

 我々の取り組みの中心にあるのが、デジタル技術のプラットフォームであるルマーダだ。ルマーダは、製品の設計や製造、運用、メンテナンス、すべての場面で活用される」

インドに日本の新幹線技術を提供したい

 ――日本と鉄道技術について。

 「日本の鉄道技術は世界最高のレベルにある。象徴的な存在である新幹線があるし、地下鉄も都市鉄道も非常に高度だ。日本で生まれた技術で、すでに海外に使われているものも多くある。今後は、世界で提供できる次世代の製品のデザインとエンジニアリングに力を入れたい。日本の技術が出発点であり、有効活用していく。

 たとえば、インドは、人口が世界一になる見通しだ。様々な開発が計画されており、日本の新幹線技術を提供したい」

 ――(鉄道や送配電事業を展開する)英国で、欧州連合(EU)離脱の影響は。

 「大きな変化はなかった。サプライチェーン(供給網)を変更する必要はあったが、注文には予定通り対応している。英国は重要な市場で、工場も車庫もある。政権交代した後も、投資は続けたいと思う」

 ――海外市場の可能性について。

 「アジア太平洋については、(タレス社の事業)買収後に強化した。アジア太平洋のすべての地域に対してアクセスが可能になった。中でも、シンガポールはきわめて重要な位置づけだ。マレーシアも成長途上にある。各国で様々なプロジェクトがあり、日立として検討していきたい。わが社には強い競争力がある」

◆ジュゼッペ・マリノ氏 イタリア生まれ。機械工学を専攻し、キャリアを自動車業界からスタートさせた。2009年、イタリアの複合企業傘下にある鉄道会社、アンサルドブレダに入社。日立製作所が買収を発表した15年以降は、両社の統合に携わった。23年4月から日立の執行役専務。鉄道ビジネスの責任者を務める。

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