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五輪フェンシング初の「金」に輝いた加納虹輝、レジェンド・太田雄貴にあこがれ転向…「太田さんがいなかったらやっていなかった」

読売新聞 / 2024年7月30日 2時39分

フェンシング男子エペ個人でフランス選手を破り、金メダルを獲得した加納虹輝選手(右)(28日、パリで)=三浦邦彦撮影

 28日に行われた男子エペ個人で、加納虹輝(JAL)が金メダルに輝いた。フェンシング個人種目での日本勢の五輪制覇は男女を通じて初めて。加納は東京大会のエペ団体に続き、2個目の金メダル獲得となった。山田優(山一商事)は準々決勝で、見延和靖(ネクサス)は3回戦で敗退した。

 29日の女子サーブル個人で、日本選手団の旗手を務めた江村美咲(立飛ホールディングス)は3回戦で敗れた。高嶋理紗(オリエンタル酵母)、福島史帆実(セプテーニ・ホールディングス)は2回戦敗退。男子フルーレ個人で、東京大会4位の敷根崇裕(ネクサス)が2回戦で敗退した。

 日本フェンシングの個人種目の最高成績は、2008年北京五輪男子フルーレで太田雄貴さん(38)が獲得した銀メダルだった。日本のレジェンドさえ届かなかった金メダルに、加納が輝いた。歴史を塗り替える自身の快挙を「憧れた太田さんを超えることになるとは思ってもいなかった」と感慨深げに語った。

 加納の運命を変えたのはまさに北京で太田さんが銀メダルに輝いた姿だった。小学5年生の時、テレビで試合を見て「フェンシングってすごい。面白そう」と思い、それが、当時打ち込んでいた器械体操から転向するきっかけになった。欧州の強豪選手を次々と破って頂点に立ったこの日の試合後も「太田さんがいなかったらフェンシングをやっていなかったと思う」と改めて振り返った。

 スタンドで観戦した太田さんも万感の思い。現役時代、日本では決してメジャーでなかった競技の魅力を伝えようと奮闘した第一人者だ。自分の背中を追いかけてくれた少年が、目の前で欧州伝統競技の高い壁を破ってくれた。「今日の虹輝を見てフェンシングを始める子供もいると思う。強い競技はそういうふうに(世代が)回っている」

 東京五輪後、加納も競技普及に力を入れている。「太田さんを見て僕がそうしたように、今日の僕を見てフェンシングを始めてくれる子がいたらうれしい」。バトンは受け継がれた。フェンシングの本場パリでの勝利は多くの子供たちの脳裏に深く刻まれたはずだ。(佐野司)

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