返礼品は北海道屈指の高級旅館で「町長と一緒に夕食」権、話のテーマは町政以外もご自由に

ふるさと納税サイトに登場した「照井町長との会食付き宿泊券」

　北海道江差町は、ふるさと納税の返礼品に、照井誉之介町長（３９）との会食付きの旅館宿泊券を追加した。町長が先頭に立って「営業」をすることで町をＰＲし、まちづくりについても率直な声を聞きたいとしている。町によると、首長との食事会の返礼品は全国的にも珍しいという。

　寄付者は、町内の高級旅館「江差旅庭 群来 （くき）」に宿泊し、照井町長と一緒に夕食をとりながら懇談する。会食の時間は２時間で、寄付額は１人の場合２９万５０００円、２人の場合は４１万６５００円。

　現在３期目の照井町長は２０１４年に初当選。当時の全国最年少首長だった。懇談のテーマは自由で、町政に関することや、「好きな食べ物」「ストレス解消法」といった町長の個人的なことも話題にできる。

　同旅館は庭に囲まれた木造平屋の独立型の全７室。敷地内から湧く源泉かけ流し温泉を各部屋に備えた道内屈指の高級旅館で、全国からのリピーターも多い。

　同町のふるさと納税では１５年度と１６年度に、照井町長が江差追分会館や開陽丸記念館などを案内する「日本一若い町長のおもてなし江差ツアー」を返礼品としたことがあり、道内外から２０件、約３３０万円の寄付があったという。その後、コロナ禍などでツアーは中止になっていた。

　町まちづくり推進課によると、今回の返礼品は、旅館側から提案があり、町長側が「公務に支障がない夜間なら対応が可能」として、６月末からの追加を決めた。２９日現在、寄付の申し出はまだない。

　同課は「町長との食事、宿泊などで町の魅力に触れてもらい、町の新たなファンになってもらえれば」と期待している。