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ベネズエラ大統領選、選管が反米現職「マドゥロ氏勝利」発表…野党陣営・アルゼンチンは「不正」と非難

読売新聞 / 2024年7月30日 9時20分

 【カラカス=大月美佳】南米ベネズエラの大統領選が28日、投開票され、選管当局は反米左派ニコラス・マドゥロ大統領(61)が「勝利した」と発表した。野党陣営は、野党連合の統一候補で元外交官のエドムンド・ゴンサレス氏(74)が「圧勝した」と表明し、アルゼンチンは政権側による「不正」を非難する。マドゥロ氏は反発を封じ3期目当選の既成事実化を進める構えだ。

 マドゥロ氏は29日未明、大統領官邸前で支持者らを前に演説し、「国家独立、祖国の平和の勝利だ」と主張した。任期は来年1月10日からの6年となる。

 マドゥロ氏の影響下にある選管当局は発表で、開票率80%時点で、マドゥロ氏の得票率が51・2%で、ゴンサレス氏は44・2%だったとしている。

 2013年に死去したウゴ・チャベス前大統領の後継者として大統領に就任したマドゥロ氏は強権統治を敷いてきた。大統領選を巡っては野党連合の予備選で圧勝した野党指導者マリア・マチャド元国会議員の出馬を阻止した。

 それでも、事前の複数の世論調査ではゴンサレス氏がマドゥロ氏を30ポイント以上リードしていた。

 ゴンサレス氏側は強く反発している。マチャド氏は独自集計でゴンサレス氏が70%の票を獲得したと訴える。「我々が勝利したことは誰もが知っている」と述べ、政権側による大規模な不正を暗に非難した。ただ、ゴンサレス氏は「我々はベネズエラ人の和解と平和を求めてきた」と冷静な対応を呼びかけた。

 マドゥロ政権と対立する米国のブリンケン国務長官は29日、「結果がベネズエラ国民の意思や票を反映していないことに深刻な懸念を抱いている」と述べ、詳細な集計結果の公表を求めた。アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は自らのX(旧ツイッター)で「独裁者マドゥロ、出て行け。アルゼンチンは新たな不正を認めない」と非難した。

 一方、ロイター通信によると、マドゥロ政権を支持するロシアのプーチン大統領はマドゥロ氏の当選を祝福した。社会主義国キューバのミゲル・ディアスカネル大統領もXで、マドゥロ氏をたたえた。

 ベネズエラは世界有数の産油国だが政治・経済の混乱で国民生活は困窮しており、約777万人が国外に逃れたとされる。

 地元のセントロオクシデンタル・リサンドロ・アルバラード大のカルロス・メレンデス教授(社会学)は「選挙結果は貧困の継続、不平等の拡大、政治暴力の復活を意味するもので国外へ逃れる人がさらに増えるだろう」と予測する。

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