ベルサイユ宮殿で開催の馬術、日本が歴史的「銅」…４８歳の苦労人・大岩義明「ちょっと泣いちゃった」

総合馬術団体で銅メダルを獲得して喜ぶ（左から）北島隆三選手、大岩義明選手、田中利幸選手、戸本一真選手（２９日、ベルサイユ宮殿で）＝三浦邦彦撮影

　【パリ＝読売取材団】第３３回夏季五輪パリ大会は第４日の２９日、総合馬術の団体で日本が銅メダルを獲得。馬術での表彰台は、１９３２年ロサンゼルス大会で西竹一が金メダルに輝いて以来、９２年ぶり。

　世界遺産のベルサイユ宮殿という華やかな舞台で、日本の馬術に新しい歴史が刻まれた。日本代表の４選手で最年長の４８歳の大岩義明（ｎｉｔｔｏｈ）は「ゴールのところで『メダルだよ』と言われて、ちょっと泣いちゃった」と感慨に浸った。

　「馬場」、「クロスカントリー」、「障害飛越」の３種目を同一人馬で競う総合馬術。自然の地形を生かした約６キロのコースで行う「クロスカントリー」は、国内に練習や試合ができる環境が乏しく、これまで馬術の日本勢は目立った成績を残せなかった。

　大岩ら４人は２０～３０代前半から所属企業の支援を受けるなどし、欧州で実戦経験を重ねて、トップ選手へと成長した。２０年以上前に渡英した当初、 厩舎 （きゅうしゃ）でのアルバイト生活も経験した苦労人の大岩は言う。「今回のメダルで、日本にも馬術の良さを知ってもらえたらいい」（西口大地）