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37歳羽根田卓也、5度目の五輪で決勝逃しても「改めてオリンピックが大好きになった」

読売新聞 / 2024年7月30日 6時19分

[パリ五輪こぼれ話]

 日本カヌー界の第一人者、羽根田卓也(37)の5度目のオリンピックが終わった。29日に行われた男子スラローム・カナディアンシングル準決勝で13位となり、上位12人による決勝を逃した。「惜しくも一つの順位差で決勝を逃してしまったのは悔しいが、自分の持てる力は出せた」。すがすがしい表情で大会を振り返った。

 27日の予選から中1日。体の動きもカヌーの動きも「かなり良かった」という。ただ、予選よりもコースの難易度が上がり、「水の流れを読み切れなかった」。20個ほどのゲートを通過しながら急流を下り、そのタイムを点数化して争う競技。7番目のゲートで接触すると、20番目のゲートでは接触したうえに失速もした。2度の接触は4秒分のペナルティーとして加算され、12位のポーランド選手とはタイム換算で2秒87に相当する差で敗退。「ゲートと(体が)かすっていなければ…」。数センチ単位での艇の操作が求められるスラロームならではの難しさを、改めてかみしめた。

大声援に喜び

 3度目のオリンピックとなった2016年リオデジャネイロ大会では3位に入り、この種目で日本勢初となるメダルを獲得した。それ以来、「たくさんの人が応援してくれるようになり、僕の順位一つ一つに一喜一憂してくれるようになった」。自国開催となった東京五輪では10位に終わったものの、再び日本代表の座を射止めて、世界一をかけた戦いの場に戻って来た。コロナ禍により無観客だった3年前とは一転、カヌー人気の高いヨーロッパでの大会で大声援を浴び、「この観客の盛り上がりはリオ以来。スポーツは人を熱狂させる力がある」と改めて実感した。

4年後の挑戦は…

 東京大会後、再びオリンピックに挑戦すると決めてから3年。「このパリに向けて毎日、毎日、全てを費やしてきた」と自信を持って言える。だからこそ、6度目の挑戦への意欲を問われても「まだ今、終わった瞬間なので、『はい、次』と言うわけにはいかない」というのが率直な思いだ。自分自身の思い、支えてくれた人たちの思い…。耳を傾けるべきものはたくさんある。

 ただ、一つの区切りを迎えた今、これだけは迷いなく言える。「改めてオリンピックが大好きになった」。五つの輪に彩られた舞台には、アスリートをひき付けてやまない魔力がある。(デジタル編集部 深井千弘)

 パリオリンピックを巡る様々な話題を、ユニークな視点で随時お届けするコーナーです。

ふかい・ゆきひろ 1977年生まれ。2000年に入社し、地方支局や運動部などを経て、2022年からデジタル編集部。オリンピックの取材は3年前の東京大会に続いて2度目。好きなフランス映画は「最強のふたり」。

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