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「中学行ったらスケボーやめる」吉沢恋は泣きながら練習…スケボー店オーナー「技覚えるのはゆっくり」「でも誰よりも練習」

読売新聞 / 2024年7月30日 16時52分

パリ五輪スケートボード女子ストリート決勝に臨む吉沢選手(28日、パリで)=三浦邦彦撮影

 パリ五輪は28日、スケートボード女子ストリートが行われ、相模原市出身の吉沢 ここ選手(14)(市立小山中3年)が金メダルに輝いた。競泳女子100メートルバタフライでは、神奈川県大和市在住の平井瑞希選手(17)(日大藤沢高3年)が7位に入賞した。観戦した地元住民やゆかりの人々は、初の大舞台で結果を残した10歳代の2人をたたえ、次の五輪でのさらなる活躍を期待した。

 「率直にうれしい。全然実感はわかないけど、やっぱり努力してきて良かった」。世界の大舞台で頂点に立った14歳は、さわやかな笑顔で語った。

 吉沢選手が兄の影響でスケボーを始めたのは7歳の時。現在所属する地元のスケボー店オーナーで指導したこともある寺井裕次郎さん(40)は「技を覚えるのはゆっくりで、周りの子と比べても目立たない印象だった。でも、誰よりも繰り返し練習できる子だった」と振り返る。

 小学生の頃の吉沢選手は、泣きながら練習することも多く、「中学行ったらスケボーやめる」とこぼしていた。実際に、中学入学時はテニス部に入ろうとしていたという。二人三脚で練習に付き添う父・功さん(58)は「やめるのはいつでもやめられる。やってきたことを台無しにするのではなく続けてみたら」と説得し、吉沢選手の意識が変わり始めたという。

 練習は寒川町や東京都立川市のスケートパークで、平日は3時間、休日は最長8時間に上った。功さんは長年続けてきた保育士から時間の融通が利く介護の仕事に転職した。コロナ禍で練習場所が閉まった時は、功さんが木材で手作りしたレールを公園に持参して練習したこともあった。

 2021年の東京五輪で金メダルを獲得した西矢 もみじ選手が決めた「ビッグスピン・フロントサイド・ボードスライド」を、吉沢選手は小学5年の頃に完成させていた。一方、できるようになるまで3年ほどかかった苦手な技もあったという。反復練習した分、習得した技の成功率は高い。

 寺井さんは「負けず嫌いでポジティブな性格もこの競技に向いている。この子ならいけるかも」とどんな状況でも練習を欠かさない姿に可能性を感じていたという。パリ出発直前の練習にも同行し、技の最終確認をした。5回目のベストトリックで決めた「ハリケーングラインド」は、「やったらメダルとれるから」と話していた技。日本からテレビで応援していた寺井さんは「ホッとした。金メダルに驚いたが、技が成功すればいけると確信していた」と力を込める。

 「世界的プレーヤーを育てたい自分の夢も(吉沢選手が)最高の形でかなえさせてくれた」としみじみ語る寺井さん。すでに次のロサンゼルス五輪を見据えたコメントをしている教え子に「次は現地で活躍を見たい」と期待を寄せている。

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