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「光る君へ」で注目の玉置玲央、鴻上尚史代表作の10年ぶり再演で唯一人「最年長」として続投

読売新聞 / 2024年7月31日 15時0分

劇中に登場するおもちゃや時事ネタは上演バージョンによって更新される。「時代の空気を採り入れて常に変わり続ける作品。今回は何が出てくるかお楽しみに」=野口哲司撮影

 東京・新宿の紀伊国屋ホール開場60周年を記念し、 鴻上尚史 こうかみしょうじ作・演出の「朝日のような夕日をつれて」2024年版が上演される。NHK大河ドラマ「光る君へ」への出演で注目を集めた劇団「柿 う客」の 玉置玲央 たまおきれおが、最年長メンバーとしてカンパニーを引っ張る。(小間井藍子)

 「朝日――」は鴻上が結成した劇団「第三舞台」の旗揚げ公演として1981年に初演された。ベケットの不条理劇「ゴドーを待ちながら」を下敷きに、おもちゃ会社でヒット商品の開発に明け暮れる社員たちを描く。スーツ姿の5人の男たちが機関銃のようにせりふを吐き続けていく独特のスタイル。玉置が知ったのは高校生の頃。「今まで見たことがないタイプの演劇で、『こんなことやっていいんだ』と衝撃を受けた」

 これまで7回上演されており、前回の2014年版には最年少メンバーとして出演。初演から出続けてきたベテラン大高洋夫らとの共演はかなりのプレッシャーだった。「先輩方の顔に泥を塗ってはいけないと、ついていくだけで必死でした」と振り返る。

 10年ぶりの再演で、前回からの続投は玉置のみ。最年長として目を配りつつ、初演から大高が演じ続けてきた部長役を引き継ぐ。「前回の稽古場で大高さんが、『この戯曲のせりふは感情のやりとりじゃない。自分の生理と離れたところで無理やりやらなきゃいけない部分がある』って言っていたのが印象的だった。それくらい難しい作品ですが、鴻上さんが『玲央は脳の運動神経がいい』と言ってくださったのを支えに頑張りたい」と意気込む。

 1985年生まれ。所属劇団のホームページでは、「驚異の身体能力と鋭い演劇感性を持つ 稀代 きだいの名優」と紹介されている。が、実は演劇の道に進んだのは偶然という。なかなか進学先が決まらなかった中学3年時、ある私立高校で定員割れしているという理由で選んだのが演劇科だった。「まさか職業として俳優をやることになるとは1ミリも思ってなかったです」

 近年は幅広いジャンルの舞台や映像作品でも活躍。NHK大河ドラマ「光る君へ」では、藤原道長の兄 道兼 みちかねを好演し注目を集めた。第1話では残忍な貴族として登場するが、次第に心の成長を見せていく“おいしい”役どころ。「ヒールのままで終わったらどうしようと思ってましたが、脚本の大石静さんがしかるべき場所に着地させてくださった。ありがたかったです」

 今後は、「なんでもやらせてほしい」と言いつつ、「お年寄りの役をやるのが夢。年齢を重ねたからこそできる役を早くやりたい」とも。今後の一挙手一投足が気になる俳優の一人だ。

 8月11日から9月1日まで紀伊国屋ホール。(電)03・5937・4252。

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