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トイレ川柳20年記念、「日常や人生の節目にある」ペーパーに描かれたのは家族愛あふれるアニメ

読売新聞 / 2024年7月31日 15時0分

 温水洗浄便座「ウォシュレット」で知られるTOTO(北九州市)が実施している「トイレ川柳」のコンテストが今年、20回目を迎える。生活に身近なトイレを題材に詠まれた川柳は19年間で50万句を超えており、節目を記念してトイレットペーパーで制作したアニメーションはX(旧ツイッター)で600万回に迫る再生回数となっている。(佐藤陽)

 「子を囲み 皆で力む 初トイレ」

 便座に腰かけた女の子が、両親に見守られながらトイレの練習を行う。トイレットペーパーに描かれた親子のイラストが動画で流れ、あわせて川柳が映し出される。思春期となった女の子がトイレでひそかに電話するシーンで詠まれたのは、「ケータイで 愛を語って いるトイレ」――。

 いずれもTOTOが「 ワンロールシアター」と名付けてインターネットで公開している動画の一コマで、過去のコンテストで集まった川柳の一部を使って家族の絆を描く物語に仕立てた。

 ウォシュレットの販売台数が2000万台を突破したのを機にTOTOが2005年に始めたコンテストでは、19回で計52万句が集まった。入賞作を印刷したトイレットペーパーを毎年のコンテスト後に販売していることもあり、20回目の記念としてペーパーを使ったアニメの制作を決めた。

 福岡市在住のアニメーター青池良輔さん(52)に原画を依頼し、東京工芸大アニメーション学科の学生14人が、長さ約110メートル分のペーパーに丁寧に描いた。最も注意を払ったのがペーパーの取り扱いで、もし破れても修復できるよう、のりなどを準備して臨んだという。動画撮影を含めて通算273時間をかけ、3分40秒の作品を作り上げた。

 青池さんは「世界で最も価値があるトイレットペーパーになった」と胸を張り、参加した同学科の池上優也さん(22)も「普段はタブレット端末を使うので、トイレットペーパーに描くのは忘れられない経験になった」と笑顔を見せる。

 TOTOが6月中旬から公式サイトやSNSでアニメを公開したところ、Xでは現在までに再生回数が598万回となり、インスタグラムでも38万回に上った。トイレ川柳を担当するTOTOメディア推進部の後藤久美さんは「アニメを通じ、日常や人生の節目にトイレがあることを改めて感じてもらえればうれしい」と話している。

時代を映す作品も

 「トイレ川柳」のコンテストでは、時代を映す作品も多く寄せられた。

 東日本大震災が発生した2011年には「客が来る 便座のスイッチ オンにする」と、節電意識の高まりをうかがわせる句が目立った。ロシアによるウクライナ侵略が始まった22年には「生きている だから僕らは トイレする」と、日常の尊さを表現した句が最優秀賞に選ばれた。

 TOTOは今年の作品の応募を、8月25日まで受け付けている。

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