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「スタイルは1位になるか最下位か」の中村輪夢、「新技」で東京五輪の雪辱へ…今夜BMX決勝

読売新聞 / 2024年7月31日 18時47分

自転車BMXフリースタイル男子パークで決勝進出を決めた中村輪夢選手(30日、パリで)=上甲鉄撮影

 パリオリンピック自転車BMXフリースタイル男子パークの中村 輪夢 りむ選手(22)は31日の決勝で悲願の金メダル獲得に挑む。競技として正式採用された東京五輪では初代王者への期待がかかったが、重圧から結果を残せなかった。新しい技(トリック)で観客を沸かせると明言しており、「楽しみながら最高の結果を出したい」と雪辱を誓う。(高木文一、長沢勇貴)

 軽やかに宙を舞った。30日、パリのコンコルド広場で行われた予選。空中でハンドルを軸に自転車を横に2回転させる技などを次々に繰り出し、客席からどよめきが起きた。6位で決勝進出を決め、笑顔を見せた。

 「会場の盛り上がりのおかげで、東京より緊張しなかった。決勝は100%で攻めていく」と話した。

 自分しかできない技にこだわりを持って競技を続けてきた。決勝で披露するとしている新技も、普通の選手が2回転するところを3回転するようなイメージだという。それだけに、転倒のリスクも伴う。「僕のスタイルは、1位になるか最下位か。本番では1位をとれるように技を磨いている」

 京都市でBMXショップを経営する父・辰司さん(49)の影響で、幼少期からBMXに乗っていた。名前は、自転車の車輪の輪の部分にあたるリムに由来する。辰司さんは「家族で食事をするときも、いつも話題は自転車だった」と話す。

 中学生でプロに転向し、2019年のワールドカップで年間総合1位を獲得するなどトップ選手に上り詰めた。東京五輪では注目選手として連日、メディアに特集され、「金メダルを取ってBMXを知ってもらいたい」と意気込んでいた。

 しかし、コロナ禍で五輪延期が決まった後の練習で、左足かかとを骨折。初めての大けがだった。痛み止めを打って練習したが、十分な調整ができなかった。

 アクションスポーツの賞金大会「Xゲームズ」などの大舞台を経験していたが、東京五輪の雰囲気は独特だった。「注目度や重圧、緊張感が全く違った」。ミスが出て5位に終わった。

 「あれだけ期待されていたのに、メダルも取れないのか」。そんな声も聞こえてきた。悔しさを胸に秘めて練習に明け暮れた。

 ウェートトレーニングを強化し、終盤でも大技を繰り出せる体力を養った。22年の世界選手権では、日本人初優勝を果たした。

 今年5~6月のパリ五輪予選シリーズでは出場権を得られなかったが、中村選手の実績から日本に配分された出場枠で6月末、パリへの切符を得た。

 自転車の調整などメカニックを担当する辰司さんとの二人三脚でここまで来た。予選では、採点結果を待つ間、辰司さんが中村選手の肩に手を置いて見守った。

 頂点まであと一歩。「東京のリベンジを果たす場。やってきたことの全てを出し切りたい」と言い切った。

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