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「シェルターに逃げようと走りだした直後に爆発音と火柱」…ゴラン高原でのロケット弾攻撃

読売新聞 / 2024年7月31日 19時16分

 イスラエルが占領するゴラン高原のマジュダルシャムスで子ども12人が死亡したロケット弾攻撃は、昨年10月にイスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラによる攻撃の応酬が始まって以降、イスラエル側に最多の犠牲者を残した。現場に30日、記者が入った。(マジュダルシャムス 金子靖志、写真も)

 「近くのシェルターに逃げようと走りだした直後に爆発音と火柱が上がった」

 ロケット弾が直撃したサッカー場にいた女子中学生(14)は涙を流しながら当時を振り返った。サイレンが鳴ってから着弾まで数秒ほど。シェルターに逃げ込むため、走って向かったサッカー場の出口付近にロケット弾が落ちた。

 サッカー場を囲む高さ約5メートルのフェンスは大きくひしゃげ、一部が吹き飛んでいた。地面は深くえぐられ、黒焦げになった数台の自転車も転がっていた。遺影や花が手向けられ、遺族とみられる両親らが地面に膝をつき、「もう戦争は止めてほしい」と泣き崩れていた。

 マジュダルシャムスはイスラム教少数派のドルーズと呼ばれるアラブ系住民の町で、人口は1万2000人ほど。イスラエル首相府などによると、元々同国に住むドルーズは、若者がユダヤ人と一緒に兵役に就くなど歴史的に関係が深い。しかし、1967年にイスラエルに占領されたマジュダルシャムスなどゴラン高原のドルーズには、イスラエルの市民権取得を拒否するなど、イスラエルと一線を画す人が少なくない。

 住民からは、報復の連鎖を懸念する声が聞かれた。農業を営むアリー・アブジャバルさん(52)は、「この土地はドルーズが守り続けてきた大事な場所だ。我々は、ここで平和に暮らしたい。報復は憎しみを生むだけだ。やめてほしい」と語った。

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