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仮設住宅の整備進み、「2次避難者」ピーク時の7分の1に…「やっぱり地元が落ち着く」

読売新聞 / 2024年7月31日 23時19分

談笑する応急仮設住宅の住民たち(7月31日、石川県珠洲市で)=大石健登撮影

 能登半島地震の発生から1日で7か月になる。石川県の能登地域を離れ、ホテルや旅館へ避難している「2次避難者」は、応急仮設住宅の整備が進み、ピークの5275人から約7分の1の705人まで減少した。避難者を受け入れてきた宿泊施設では、本格的な営業再開が進んでいる。(金沢支局 池下祐磨、戸辺悠大、成島翼)

 同県珠洲市の塚本 真如 まことさん(79)は7月21日、約200キロ離れた同県加賀市のホテルから、地元の漁港近くに完成した応急仮設住宅に入居した。半年以上過ごしたホテルには同郷の被災者も多く、日々の食事も用意されたが、塚本さんは「やっぱり長年暮らした地元が落ち着く」。8月には北海道の実家に避難している妻も戻り、一緒に暮らす予定だ。

 県によると、2月には247か所あった2次避難所は、30日現在で97か所。応急仮設住宅が7月末までに5510戸完成し、それに伴って2次避難者は同日現在で705人になった。

 2次避難所となっていた宿泊施設は、通常営業に移りつつある。

 最大で約90人の避難者が身を寄せた加賀市の旅館「宝生亭」では、7月中旬から本格的な一般客の受け入れを再開した。避難者は19日までに全員が退去し、その後は7月末が期限の観光支援策「北陸応援割」の駆け込み需要で満室状態が続いた。

 同市のホテル「みやびの宿 加賀百万石」では、約350人いた避難者が約50人になり、宿泊客の受け入れを増やしている。

 一方で、仮設住宅の入居や自宅の改修などを待たず、2次避難所から壊れたままの自宅に戻る人もいる。

 同県輪島市の吉田美智子さん(81)は、6月に加賀市の別のホテルから半壊と認定された自宅に戻った。隣の家がもたれかかるように倒れ、いつ倒壊するか分からない自宅に1人で暮らすが、「ホテルにいたら生活再建に向けた手続きがなにもできないから仕方ない」と話す。

 3万人を超えた体育館などの1次避難者は、今も654人いる。「地元にとどまりたい」「暮らし慣れた場所がいい」などとして2次避難所などには移らず、自宅の改修や仮設住宅への入居を待つが、めどが立っていない人もいる。

 被災市町は今後も、2次避難者らの意向を確認し、みなし仮設住宅などへの移動を促す方針だ。

 金沢大の菊知充教授(精神行動科学)は、「生活再建が見通せない状況が持続することで、慢性的なストレスが蓄積される。再建に向けた経済的支援や就労支援など継続して行うことが求められる」と話している。

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