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死んでいても出す毒はハブの80倍、高知県でエラブウミヘビ発見…ペット飼育は禁止

読売新聞 / 2024年8月1日 10時35分

昨年10月に見つかったエラブウミヘビ。青と黒のしま模様が特徴

 九州南方から沖縄・先島諸島へと連なる南西諸島にすむエラブウミヘビが、高知県奈半利町の加領郷漁港で見つかり、室戸市のむろと廃校水族館に保護された。おとなしい性質とはいえコブラ科の毒蛇。黒潮に乗って流れ着いたのか近年、高知県沿岸部で目撃が増えているという。海での行楽が増える季節を迎え、同水族館は飼育展示に必要な知事の許可を得て、注意喚起と情報提供を呼びかける。(浦一貴)

 沖縄では「イラブー」と呼ばれる 爬虫 はちゅう類は、青色と黒のしま模様で、120~150センチに成長する。性質はおとなしいが、毒はハブの70~80倍、死んでいても出すので触ってはいけない。ペットとして飼うことは動物愛護管理法で禁じられ、水族館や研究施設の場合は知事や政令指定都市の市長の許可がいる。

 6月上旬に漁師が持ち込み、全長41センチ。3か月ほど何も食べなくても死ぬことはないというが、生きた稚魚を与えても食べず、安芸福祉保健所に申請中の7月中旬に死んだ。

 昨年10月にも、室戸市の三津大敷で死骸(75センチ)が見つかっている。海水温の低下で死んだとみられ、標本にしている。

 6月末、高知大理工学部4年の松永翼さん(21)、熊木慧弥さん(21)らが標本の測定に廃校水族館を訪れた。四国の分布記録を斉藤知己教授と3人の共著で論文にするのだという。

 専攻は魚類の2人が調査を始めたのは、昨年6月下旬、高知市の春野漁港で捕獲、標本にしたこと。松永さんによると、四国で捕獲された標本は 御五神 おいつかみ島(愛媛県宇和島市、1985年7月)と合わせても3例。ただ斉藤教授は2012年5月、井尻港(土佐市)で目撃、19年には宇佐福島港(同)で撮影された写真を見ている。松永さんは「海水温の上昇によるものか、高知では南方系の魚の初確認が増えており、ウミヘビ類も北上しているのかなとの印象がある」と話す。

 サンゴを調査する黒潮生物研究所(大月町)の目崎拓真所長も「沖縄で潜っていると、後をつけてきて気持ち悪い」と言い、柏島周辺のダイバーからも最近、目撃情報がよく寄せられると話す。

 韓国・済州島での産卵も確かめられており、斉藤教授は「エラブウミヘビは実際、増えているかもしれない。毒蛇の特徴か、海辺で悠々と寝ていることもある」と、好奇心で近づかないよう注意を促す。

 廃校水族館は展示水槽と運搬用クーラーボックスに鍵を取り付け、安芸福祉保健所から18日、展示許可を得た。若月元樹館長は「生きた展示で危険を周知するため、漁師さんにいっそう協力を呼びかけたい」と話している。

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