ＢＭＸ中村輪夢、東京大会と同じ５位「新技出せたことは悔いない」…１本目は全体３位

ＢＭＸフリースタイル男子パークで５位となった中村輪夢＝上甲鉄撮影

　パリ五輪で３１日に行われたＢＭＸフリースタイル男子パーク決勝は、中村 輪夢 （りむ）（ウイングアーク１ｓｔ）が９０・８９点で、東京大会と同じ５位だった。

　３年前と順位は変わらなかった。中村は「また５位かって」と苦笑いしつつ、「新技も出せた。そこに悔いはない」と言い切った。

　１本目のランの冒頭から会場を沸かせた。後方宙返りをしながら車体を１回転、一度止めてさらに１回転させる複雑な新技。全体３位の９０・３５点をマークし２本目は９０・８９点とさらに得点を伸ばしたが強豪選手に上回られた。

　東京五輪では、重圧にのまれてミスが出て５位。「勝っていれば知名度も上がり、競技人口も増えた」と悔しがった。

　独自性にこだわった。新技を組み込む基盤をつくるため持久力も強化し、今では「１分間走りきっても余裕が残る」と言う。２０２２年世界選手権では優勝を果たした。「自分自身を塗り替える」と手応えはあった。競技レベルは上がり、今回、完全燃焼しても表彰台には一歩届かなかった。「もっと自分しかやらない技を伸ばしたい」。まだ２２歳。揺るがず、自分の理想を追う。（井上敬雄）

　◆自転車ＢＭＸフリースタイル・パーク＝２０２１年東京五輪で正式種目に採用された。サイズの異なるジャンプ台や斜面を組み合わせたコースを１分間滑走し、技の難易度や独創性などを採点で競う。パリ五輪決勝は２本のうちの高得点を採用し順位を決めた。