警察官を平手打ちした会社員に無罪判決、大分地裁「防衛手段の範囲内」

大分地裁

　大分県中津市の路上で警察官を平手打ちしたとして公務執行妨害の罪に問われた同市の男性会社員（３７）について、大分地裁（辛島靖崇裁判官）が違法な職務執行だったとして７月２４日付で無罪判決を言い渡していたことがわかった。

　男性は４月２８日未明、同市中殿の路上で、職務質問中の男性巡査部長（４０歳代）の顔を平手で１回殴ったとして現行犯逮捕された。

　判決によると、別の男性２人と口論していた男性は巡査部長ら３人に職務質問を受けた。暴言を吐いて逃走したが転倒し、３人に取り押さえられた。２人は男性の求めに応じて手を離したが、手首をつかみ続けた巡査部長が平手打ちされた。

　辛島裁判官は、「説得という手段を取り得た」として同罪の成立を否定。平手打ちについても防衛手段の範囲内とした。

　大分地検は読売新聞の取材に回答せず、中津署の奥井昌二副署長は「司法判決に警察がコメントするのは適当ではない」と述べた。