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先制点アシスト植木理子・FK弾の北川ひかる…初先発なでしこ4人躍動、米国戦に光[編集委員の目]

読売新聞 / 2024年8月1日 6時14分

 パリ五輪サッカー女子の1次リーグC組は31日、第3戦が行われ、日本(なでしこジャパン)はナイジェリアに3-1で快勝。2勝1敗で勝ち点を6に伸ばし、決勝トーナメント進出を決めた。

冷静さと視野の広さ光る

 3戦目で初先発となった4人の選手たちが期待に応えるプレーを見せ、日本が2大会連続の準々決勝進出を決めた。最初は植木理子だ。22分、左サイドで長谷川唯のスルーパスをオフサイドぎりぎりの位置から飛び出して受けると、左足でシュートと見せておいて、中央の浜野まいかへ横パス。走り込んだ浜野が無人のゴールへ押し込み、日本が先制した。植木の冷静さと視野の広さが光った。

 10分後には、右からの守屋都弥のクロスを中央でヘッド。1メートル64と大柄ではないが、常々「利き足は頭」というほど空中戦に自信を持つ選手らしい強烈なヘディングシュートはバーをたたき、詰めた田中美南が押し込むチーム2点目へとつながった。

4枚の壁越えてゴールへ

 42分に1点を返されて嫌な雰囲気が漂った前半終了間際、それを振り払ったのが北川ひかるの一発。ゴール正面よりやや右、約25メートルの距離からのFKを得意の左足で狙うと、4枚の壁の上を越えたスピードのあるボールがゴール右隅へ突き刺さった。

 再び点差を2に広げるスーパーゴールにナイジェリアは意気消沈。あまり組織的とはいえないプレッシングが、後半はさらにバラバラになり、引き分けでも8強入りが決まる日本は、危なげなく試合を終えることが出来た。

 北川は7月13日に地元の金沢で行われたガーナとの壮行試合で負傷しており、これが今大会初出場。大事を取って60分に退いたが、遠藤純(米エンゼルシティー)が故障で長期離脱している現在、フィールドプレーヤーでは唯一の貴重な左利きだ。この日は、左サイド深くからクロスを再三入れるなど、レフティーならではの存在感を見せた。

林・石川も堅実なプレー

 また、北川同様にコンディション不良で初戦のスペイン戦はベンチ外だった林穂之香は、ボランチに入ってフル出場、攻守に気の利いたプレーを見せて、快勝に貢献した。3バックの左で初出場の石川璃音は、フィードのミスで失点に絡んだのは反省材料だが、守備面では安定していた。

 2連勝の日本は勝ち点6のC組2位でベスト8入り。逆転負けしたスペイン戦では、不動の右サイドバック清水梨紗が膝のケガを負ってチームを離脱し、ブラジル戦の前には、藤野あおばも故障するなど、痛い戦力ダウンが続いたが、北川、林が復帰し、1次リーグでは結局、男子代表同様に控えのGK2人を除けば全員が出場機会を得た。

 ナイジェリアは瞬間的なスピードと個人技はあるものの、C組の中では一番力が劣る相手ではあったが、調子の上がっていなかった長谷川、途中出場の長野風花もまずまずのプレーを見せ、日本の攻守の要となるボランチで、林も含めて3人が計算できるようになったのは大きい。

 3日の準々決勝は元世界1位、米国との対戦となった。3年前の東京五輪では、ここでスウェーデンに地元で苦杯をなめさせられ、メダル獲得はならなかった。ここまで来たら楽な相手などないが、その悔しさをパリの地で晴らしてほしい。(編集委員 川島健司)

かわしま・けんじ 1963年、東京都生まれ。87年入社。宇都宮支局、地方部を経て91年に運動部。97~2001年にはロンドンを拠点に主に欧州のスポーツを取材。運動部デスク、部長を経て、14年から編集委員。17~21年は、東京オリンピック・パラリンピック準備室長を兼務した。サッカーのワールドカップは2022年カタール大会など男女合わせて計7大会を現地取材。

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