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自衛官ねぶた師いざ初陣、「青森ねぶた祭」あす開幕…「戦争や頻発する災害を鎮めたい」

読売新聞 / 2024年8月1日 15時0分

制作したねぶたについて説明する小財さん(7月25日、青森市で)

 青森市で2日に開幕する「青森ねぶた祭」で、陸上自衛隊青森駐屯地の自衛官・ 小財 こざい覚さん(44)が、ねぶたを作る「ねぶた師」としてデビューする。仕事のかたわら制作の腕を磨き続け、幼い頃からの夢をかなえた。若手隊員らを率いて作ったねぶたには、「戦争や頻発する災害を鎮めたい」との思いが込められている。(青森支局 菅崚乃介)

 「40年近くも熱中できるのは、ねぶたの魔力ですかね」。青森市のJR青森駅近くの制作現場「ねぶた小屋」で、小財さんは自ら手がけた高さ約5メートル、幅約9メートルのねぶたを前に語った。

 青森駐屯地は地域に親しんでもらうため、1960年から自前の大型ねぶたを運行している。先輩自衛官が昨年で引退し、後を任された。春先から制作班25人を指揮し、準備を進めてきた。

 小学2年の時、師匠となるねぶた師・内山龍星さん(62)の作品を見て、迫力と色遣いに衝撃を受けた。「いつかこんなねぶたを作りたい」。毎年、春に大型ねぶたの制作が始まると、内山さんの作業小屋を見学するようになった。高校2年の時、熱意を買われ、針金を使った骨組みの作り方などを学び始めた。

 高校卒業後、自衛隊に入った。入隊後は、通信や広報などの仕事に携わり、地震に見舞われたハイチでの国連平和維持活動(PKO)にも参加した。ねぶたの制作に携われない年もあったが、「ねぶたは逃げない。焦るな」と師匠から励まされ、夢をたぐり寄せた。

 デビューにあたり、内山さんからは、ねぶた師として「龍玄」の名ももらった。作品ではこの名にちなみ、霊獣「玄武」が厄災をおさえ込む姿を表現した。小財さんは、「地震や戦争、紛争を鎮めたいとの祈りを込めた」と話している。

 青森ねぶた祭は7日まで。自衛隊のねぶたは2~6日に運行される。

能登の児童ら36人無料招待

 青森ねぶた祭では、能登半島地震で被災した石川県志賀町の児童・生徒ら36人が招待される。祭りの熱気を体感して復興に向け前向きな気持ちになってもらおうと、参加団体の青森市PTA連合会が無料ツアーを企画した。

 同連合会が、被害が大きかった能登6市町にツアーへの参加を呼びかけたところ同町が応じ、小学3年~中学3年の児童・生徒や保護者を招くことになった。棟方丈博会長(46)は「青森で楽しい時間を過ごして、忘れられない夏休みにしてほしい」と話す。参加者は期間中の4~6日に会場を訪れ、沿道から見学したり、踊り手の衣装で地元の子どもと祭りに参加したりする。

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