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パリ五輪、ハマスやヒズボラ巡る「飛び火」懸念…イスラエル選手団を24時間護衛

読売新聞 / 2024年8月1日 20時5分

7月31日、トライアスロンの試合会場で警戒する警官=ロイター

 【パリ=松久高広、梁田真樹子】中東でイスラエルとイスラム主義組織ハマスやシーア派組織ヒズボラとの戦闘激化の懸念が強まる中、フランスのマクロン政権は、パリ五輪のイスラエル選手団を守るため厳重な警備を敷いている。

 ガブリエル・アタル仏首相は7月31日、五輪の開催状況を閣僚と協議後、「外交的な活動と地政学的な警戒は絶対に必要だ」と記者団に述べた。パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとハマスの戦闘などを念頭に「五輪休戦」を掲げ続ける一方、飛び火を避けるため、徹底した警備を行う考えを示したものだ。

 1972年にはミュンヘン五輪テロ事件が起きているうえ、昨年10月にイスラエルとハマスの戦闘が始まって以降、仏国内ではイスラム過激派によるテロへの懸念が高まった。仏国内の親パレスチナ勢力などによるデモや暴動も警戒対象で、仏政府は大会期間中、選手団に24時間体制の警備を提供している。

 ロイター通信などによると、競技会場へは「エリート戦術部隊」が護衛し、宿舎には治安部隊も寝泊まりしている。

 イスラエル選手団への脅迫や嫌がらせ行為は、開幕当初から相次いでいる。

 7月27日、サッカー男子のイスラエル対パラグアイ戦では、ガザでの人道被害を非難して「ジェノサイド(虐殺)・オリンピック」と書かれた横断幕が観客席に掲げられた。

 仏南東部ではこの日、五輪開会式に合わせて訪仏したイスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領を標的としたテロをSNSでほのめかしたとして、15歳の少年が仏捜査当局に拘束された。イスラエル選手の個人情報流出や、メールによる殺害予告事案も明らかになっている。

 6日には襲撃事件の犠牲者を追悼する式典がパリで予定されており、厳戒態勢がとられる見通しだ。

 「五輪休戦」を訴えるマクロン氏は、緊張緩和を目指して各国指導者と会談を続ける。開幕当日の7月26日、ヘルツォグ氏とパリで会談。27日以降も、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相や、ヒズボラの後ろ盾となっているイランのマフムード・ペゼシュキアン大統領と相次いで電話会談を行った。マクロン氏は1日、X(旧ツイッター)に「(ハマスに拘束されている)人質解放に向け、努力を続ける」と投稿した。

 ◆イスラエル選手団襲撃事件=西ドイツ・ミュンヘンの五輪選手村で、パレスチナ・ゲリラ「黒い9月」がイスラエル選手団の宿舎を襲撃したテロ事件。犯人グループは選手を人質にイスラエルで収監中の仲間の釈放を要求したが、イスラエルは拒否した。人質救出は失敗し、選手ら11人が殺害された。

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