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64点では厳しかった女子バスケ、攻撃に迷い…悔やまれた第3Qの攻防[萩原美樹子さんの目]

読売新聞 / 2024年8月1日 23時6分

 パリオリンピックのバスケットボール女子で2大会連続のメダル獲得を目指す日本代表(世界ランキング9位)は1日、1次リーグC組の第2戦でドイツ代表(同19位)と対戦し、64-75で敗れて2連敗となった。日本人初のアメリカ女子プロバスケットボールリーグ(WNBA)プレーヤーで、五輪でも活躍した元日本代表・萩原美樹子さんが解説する。

 日本はオフェンスが64点では厳しい。相手は大きいので70点は取られることを前提に「スモールラインアップ」で世界と戦うためには80点台は取らないといけない。きょうはシュート率が悪かった。もちろん相手の体格や手の長さもあるので、気にはなったのだろうが、シュートで迷っていて、打つべきところでボールをさばいてしまうなど、踏ん切りが悪かった。

 ディフェンスリバウンド対策で、前半の途中から3番ポジションで赤穂ひまわり選手を使い、サイズ差を解消しようとした。そこでリバウンドは落ち着いたが、相手フォワードのサトウ・サバリ選手を止められずに前半だけで23点を許してしまった。

 前半までペイントエリアの得点は、ほぼ互角で、S・サバリ選手が第3クオーター途中にファウル3つでいったんベンチに下がった時に、2点を追う日本は一気にたたみかけなければいけなかったのだが、逆にドイツに徹底的にペイントを突かれてリードを広げられた。この時間帯で追いつき、逆転できなかったのが悔やまれた。

 ドイツのヘッドコーチはカナダ人で、母国女子代表の前のヘッドコーチだった方だ。日本とも何度か対戦していて、S・サバリ選手がいない時間に、平均身長で13センチというサイズ差にものを言わせ、日本が一番嫌がる戦い方をしてきた。やっぱり分かっているなという気がした。

シュート低調、山本の欠場は痛かった

 日本は山本麻衣選手がアメリカ戦の脳震とうの影響で欠場したが、ドイツもサバリ姉妹の妹で1メートル96のニアラ・サバリ選手が欠場し、どちらもエース不在の試合だった。N・サバリ選手のインサイドは日本としては嫌で、ドイツの方がしんどかったはずだが、フィールドゴール成功率が37%というきょうの数字を見ると山本選手が不在の日本の方が痛かった。

 ドイツの主力の何人かは18歳以下(U18)の欧州大会で優勝している「黄金世代」だ。私もU19のヘッドコーチ時代にこの世代のチームと試合をしたことがある。五輪は今回が初出場のドイツだが、力はあり、早くも世界の強豪に名乗りを挙げてきたという気もする。まだまだ強くなるチームだ。

 日本は、第3戦のベルギー戦に決勝トーナメント進出への望みをかける。何回も戦っている相手なので、お互いの手の内は知りつくしている。相手は日本と戦うとなると徹底的にインサイドを突いてくるだろう。きょうの試合で日本は相手のボールの出どころをしっかり抑えていたが、頭の上でボールを回されてしまうとやはり厳しい。だが、それを承知で編成したチームだ。ディフェンスは今のゲームプランでいい。次はオフェンスの踏ん切りの良い試合を期待したい。

はぎわら・みきこ 1970年福島市生まれ。10歳からバスケットを始める。県立福島女子高校(現・県立橘高校)卒業後、89年に共同石油(現ENEOS)入社。93年から4年連続日本リーグ得点王。96年アトランタ五輪代表で7位入賞(得点ランキング5位)、97~98年に日本人では初めてWNBAでプレー。99年に現役引退し、04年アテネ五輪で女子日本代表アシスタントコーチ。15年から日本バスケットボール協会女子ジュニア専任コーチとして、U19女子ワールドカップ4位入賞など。21年からWリーグ・東京羽田ヴィッキーズHC。

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