高橋尚子のようにコーチの元を離れた競歩・池田向希、連続メダルならず…もう一度表彰台目指す
読売新聞 / 2024年8月1日 23時57分
パリオリンピックは1日、陸上男女20キロ競歩が行われ、男子で東京五輪銀メダルの池田向希(旭化成)は1時間19分41秒で7位だった。古賀友太(大塚製薬)は8位、浜西諒(サンベルクス)は18位。ブリアンダニエル・ピンタド(エクアドル)が1時間18分55秒で優勝した。女子の藤井菜々子(エディオン)は32位だった。
2大会連続のメダルには届かなかったが、池田の表情はすがすがしかった。「悔しい思いはあるが、この3年間やってきたことが無駄だったわけではない。ここは通過点だと思っている」。26歳のウォーカーは胸を張って前を向いた。
中盤までは集団の中で力をためていたはずだった。しかし、15キロ付近で先頭のペースが上がると、17キロ付近から徐々に引き離された。五輪から50キロ競歩がなくなり、「各国の強豪が20キロに集結し、本当に世界最強を決める戦いだった」と全体のレベルアップを痛感した。
東京五輪と2022年の世界選手権で銀メダルを獲得した後、東洋大時代から指導を受けていた酒井瑞穂コーチの元を離れた。かつて女子マラソンの高橋尚子が小出義雄監督から独立したように、自ら考えて高みを目指す道を選んだ。昨年の世界選手権では15位と伸び悩んでいる感もあるが、これも成長するための一つの過程なのかもしれない。
東京大会では2枚出た歩型違反の警告が今回はなく、「やってきたことは間違っていない。今後もそこは自信を持ってレースをしていきたい」。再び世界の表彰台に上がるまで、歩きを磨き続ける。(田上幸広)
古賀は土壇場の逆転で入賞
初出場の古賀が粘りの歩きで8位入賞。16キロ付近で先頭集団から脱落後、残り1キロまで9位の位置で耐え、最後は「絶対に抜かないといけない」と1人をかわしてゴールした。明大時代は1学年上の池田ら東洋大勢の陰に隠れたが、昨年の世界選手権では日本人最上位の12位と健闘。4年後に向け、「メダル争いに入れるような取り組みをしていきたい」と誓った。
藤井菜々子の話
藤井菜々子「(調整段階で)練習できなかった期間があったので、そこが悔やまれる」
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