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得意の寝技に持ち込めず…高山莉加「逃げるとは思っていたけど、想像以上にみんな逃げた」

読売新聞 / 2024年8月2日 10時32分

柔道女子78キロ級3位決定戦でポルトガルの選手に敗れた高山莉加(1日、パリで)=菊政哲也撮影

 パリ五輪の柔道で、1日は男女各1階級が行われ、女子78キロ級で初出場の高山莉加(三井住友海上)は3位決定戦で敗れた。男子100キロ級で前回東京大会王者のウルフ・アロン(パーク24)は準々決勝で敗れ、敗者復活戦も屈した。前日まで、5日連続で続いていた日本勢のメダル獲得が途切れた。

海外勢は寝技対策を徹底

 高山は、得意の寝技が封印された。準々決勝で敗れ、3位決定戦でも敗れ、「結果がすべての世界。結果がついてこないと何とも言えない」とうなだれた。

 女子78キロ級は東京五輪で浜田尚里(自衛隊)が寝技を武器に金メダルを獲得。それから3年、海外勢の寝技対策は徹底していた。

 準々決勝は東京五輪銅メダリストのアナマリア・ワグナー(独)に立ち勝負を徹底され、先に三つの指導を受けて反則負け。3位決定戦のパトリシア・サンパイオ(ポルトガル)にも、開始およそ1分の大外返しで技ありを奪われ、リスク承知で攻めに出たところを背負い落としで合わせ技一本で敗れた。

 どちらの試合も、組み手争いや不十分な投げ技で姿勢が崩れ、高山がさあ寝技と体を寄せると、相手は跳び上がるようにして立ち上がる。高山は「逃げるとは思っていたけど、想像以上にみんな逃げた」。相手の準備が一枚上手だった。

 「海外の選手の目の色が違うし、やる気の入り方も全然違った。やっぱり五輪ってすごい」と高山。東京五輪後の世界選手権でも、この階級の日本勢はメダルに手が届いていない。改めて、世界との差を突きつけられた。

「この舞台に戻れてよかった」

 連覇を狙ったウルフは準々決勝、敗者復活戦に敗れ、メダルなし。「結果を残すことはできなかったけど、この舞台に戻れて良かった」と言葉を振り絞った。

 世界の壁が高かった。全日本男子の鈴木桂治監督は金メダルを獲得したゼリム・コツォイエフ(アゼルバイジャン)らトップ選手の名前を挙げ、「壁がなかなか高い。戦術を準備したが、通用する形を見いだす時間が少なかった」と話す。

 はっきり現れたのが、敗者復活戦。組み手で先手を取りたいウルフだったが、うまく持たせてもらえない。「相手の対策がしっかりしていた。前に詰められなくて、不十分な形で技をかけてしまった」。思ったように技を出せず、最後は得意の内股をすかされた。

 東京五輪後はテレビ出演などが重なり、一時不振に陥りながら、復調して全階級で最後に日本代表の切符をつかんだが、どうしても時間が足りなかった。「戦略的な部分でも、技術的な部分でもまだまだやる余地があった」。悔しさを残す五輪となった。(小高広樹)

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