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「パンダじゃだめ」と言われ、タイガーになった4人娘…フェンシング女子初メダル

読売新聞 / 2024年8月2日 12時39分

フェンシング女子フルーレ団体で銅メダルを獲得し、フランク・ボアダンコーチ(右奥)らと喜ぶ(左から)上野優佳、宮脇花綸、菊池小巻、東晟良(1日、パリで)=三浦邦彦撮影

 【パリ=読売取材団】第33回夏季五輪パリ大会は1日、第7日が行われ、フェンシングの女子フルーレ団体の3位決定戦で、日本(東 晟良 せら=共同カイテック、上野優佳=エア・ウォーター、宮脇花綸=三菱電機、菊池小巻=セガサミー)がカナダを破り、銅メダルを獲得した。フェンシングの日本女子では五輪初のメダル。

 わずか1点差、33―32でカナダを振り切った。日本女子では個人、団体を通じて初めての表彰台。歓喜に浸るアンカー上野のもとにメンバーが駆け寄ると、歴史の扉を開けた重みをかみしめるように、4人は固く抱き合った。

 改革は7年前から始まっていた。2017年に就任したフルーレ担当のフランス人コーチのフランク・ボアダン氏が、日本代表メンバーを見渡して言った。

 「今の日本女子フルーレは、優しくてかわいらしい『パンダチーム』。でも、それじゃだめなんだ。試合で勝つには『タイガー』にならなくてはいけない」

 就任前、フランス代表を率いていたボアダンコーチは、母国の教え子たちが日本人を評した言葉を覚えていた。「彼女たちは技術はうまいけれど、怖くない」。ライバルにみくびられていると伝え、常に戦う姿勢を見せるよう意識改革を促した。

 その激励を身近に聞いていたのが、伸び盛りだった上野や東たちだ。才能豊かでも、負けたらシュンとし、試合中に涙を浮かべることもあった面々は、「最初はずっと『タイガーになれ』と言われていた」(東)。

 激励の回数は次第に減る。練習から激しくぶつかり、剣を押し込む習慣がつくと、試合中も審判が「やめ」と言うまで攻める粘りが生まれ、自然と叫び声が出るようになった。昨年の世界選手権は銅メダル。菊池は「みんな変わった。トラになったと思う」と笑う。

 3位決定戦でも、気迫あふれる剣さばきでリードをつないだ4人。歓喜の輪に加わったボアダン氏は「みんなすさまじく成長してくれたよ」。まな弟子たちは想像を超える強い獣になった。(佐野司)

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