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フェンシング女子の菅原智恵子コーチ、表彰台の夢託した「孝行娘」の快挙に涙

読売新聞 / 2024年8月3日 0時45分

 パリ五輪のフェンシングは1日の女子フルーレ団体で、日本(東晟良=共同カイテック、上野優佳=エア・ウォーター、宮脇花綸=三菱電機、菊池小巻=セガサミー)が3位決定戦でカナダに33―32で競り勝ち、銅メダルに輝いた。フェンシング日本女子では五輪初のメダル獲得。

剛と柔で日本チーム導く

 カナダを1点差で下し、日本のフェンシング女子で五輪初のメダルをつかみ取った。メンバーの4人は、フェンシング日本女子の先駆者、菅原智恵子コーチ(47)の思いも背負って快挙を達成した。

 菅原さんは2007年の世界選手権で、日本勢初のメダルとなる「銅」を獲得。翌年の北京五輪では個人で初めて入賞した。現在は五輪で金メダルも取った男子の注目度が高いが、最初に世界への扉を開いたのは菅原さんだった。「私が世界選手権でメダルを取った時、男子が『なにくそ』という気持ちでやっていたし、最近は女子がその気持ちで頑張ってきた」と 切磋琢磨 せっさたくましてきた日々を振り返る。

 五輪に3度出場したが表彰台に立てず、指導者に転身。フランス代表を率いた後の17年、日本のコーチとなったフランク・ボアダンコーチが「試合で勝つにはタイガーになれ」と闘争本能を植え付けてきたのに対し、菅原さんはピストで練習相手を務めたり、海外遠征でおにぎりを握ったりして選手に寄り添った。チーム最年長の宮脇花綸(27)は「フランクコーチはギュッと締めるが、菅原コーチは食事や体調の面を細かく見てくれたり、悩みの相談にも乗ってくれたりした。本当に父と母という感じ」と2人に感謝する。剛と柔の指導者が個性を発揮し、チームは強くなった。

 4人が昨年の世界選手権フルーレ団体で07年以来の銅メダルを獲得した時、菅原さんは「涙はオリンピックに取っておきます」と我慢していた。銅が決まると選手と抱き合って目を潤ませ、表彰式後には自撮り棒を使ってメダルを手にした教え子と写真に納まった。孝行娘たちに、見事に泣かされた。(佐野司)

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