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AI法で規制と革新の両立狙う・安全性の国際ルール作りを推進…官房副長官の村井英樹氏

読売新聞 / 2024年8月3日 5時0分

むらい・ひでき 2003年東大卒、財務省入省。12年衆院選で初当選し、自民党副幹事長、内閣府政務官、首相補佐官などを歴任し、23年9月から現職。省庁横断の「AI戦略チーム」のトップも務める。岸田首相の政策ブレーンとして知られる。埼玉1区、当選4回。

 政府は「AI(人工知能)制度研究会」で生成AIの法規制に向けた議論を本格化させた。政府のAI政策の司令塔役を担う村井英樹官房副長官に政権の取り組みや展望を聞いた。

 ――岸田政権ではAI政策にどのように取り組んできたか。

 AIには大きな可能性とリスクが共存し、影響はあらゆる分野に及ぶ。技術進歩が速く、変化が激しいため、「包括的かつ迅速な対応を」との岸田首相の強い思いとリーダーシップの下で官邸主導で対策を進めた。

 昨年12月に先進7か国(G7)が合意した「広島AIプロセス」の議論をリードし、賛同国は53か国・地域に拡大した。国際経済ルールの枠組み作りで、日本がここまで主導した事例は今までなかったのではないか。昨年12月の国際会議の際、岸田首相が英国のスナク首相(当時)から「本当によくまとめてくれた」との言葉をかけられるなど、多くの首脳が高く評価してくれた。

 ――法規制を検討する理由と議論の見通しは。

 AI事業者向けのガイドライン(指針)を策定したが、法的拘束力がなく、リスクへの対応が不十分だとの指摘もある。法規制に関しては、対象分野や、どのように調査、報告といった執行力を担保するかといった点を含め議論していく。

 分野ごとのリスクの大きさに応じ、必要な対策を考えていく。AIの進化の方向性はわからないところがあり、リスクの変化に対応できる柔軟な制度とすることも重要だ。検討は迅速に進めたい。

 規制が必ずしもイノベーション(技術革新)を阻害するとは考えていない。ガードレールがあるから、車は崖道でも一定の速度で走行できる。ルールを作ることで、イノベーションが促進される面もあり、両立できる。大切なのは、「守るべき責務は何か」などの明確なルールを示し、予見可能性を高めていくことだ。

 AIの安全性については、日米英などを中心に国際的なネットワークも構築しながら対応したい。

 ――生成AIの負の側面でもある偽・誤情報への対策は考えているか。

 発信者情報を明示するデジタル技術「オリジネーター・プロファイル(OP)」は非常に大きな可能性を持っており、有効だろう。日本発の技術であるOPの実用化に向け、技術開発や国際標準化が進むことを期待している。技術標準を日本が取ることができれば、大きなインパクトを持つ。(聞き手 岩本康佑)

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