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米金融政策 9月利下げを視野に市場変動

読売新聞 / 2024年8月3日 5時0分

 米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めが転換点を迎えつつある情勢から、日経平均株価が、約2200円も急落するなど、金融市場の変動が激しくなっている。

 FRBには、適切な金融政策の かじ取りを求めたい。また、政府・日本銀行も、市場の動きを警戒していく必要がある。

 FRBは、年5・25~5・50%としている政策金利の維持を決めた。金利の据え置きは、昨年9月から8会合連続となる。

 同時にパウエル議長は記者会見で、「9月の会合で利下げを検討する可能性がある」と明言した。長いインフレとの戦いに出口が見えたと判断しているのだろう。

 米経済は、コロナ禍での供給制約などで、2022年6月に消費者物価指数の上昇率が9%を超える歴史的なインフレに見舞われた。沈静化に向け、FRBが利上げを進めた結果、今年6月の上昇率が3%まで低下した。

 金融政策は、半年以上先の経済に明確な効果が表れるとされ、利下げへの転換期は判断が難しい。インフレの再燃を防ぐために利下げに慎重になりすぎると、景気後退を引き起こす懸念がある。

 24年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は年率換算で前期比2・8%増と堅調だ。だが、最近は製造業の景況感を示す指数が悪化しており、新規の失業保険申請件数も高い水準になっている。

 このため、市場では景気後退の観測が高まり、1日のニューヨーク株式市場でダウ平均株価は、一時、700ドル超も下げた。

 FRBは、本格的に経済が減速していくリスクがどの程度あるのかを見極めて、今後の利下げの道筋を検討することになろう。

 米経済への懸念は、日本にも波及した。2日の日経平均株価は、2216円も大幅に下落して、3万6000円台を割り込んだ。過去2番目の下げ幅となる。

 7月11日に4万2224円の史上最高値を記録してから、約3週間で6000円以上も下げた。

 日銀が7月末に利上げを決めたことなどで円高・ドル安傾向となっている。このため、輸出企業を中心に収益が悪化するとの見方も株価の下落につながっている。

 過度な円安・ドル高を是正することは望ましい。しかし、これまで円安をもたらしてきた日米の金利差が縮小するにつれ、想定を超えて円高が進む可能性もある。

 日銀は、米国経済や金融市場の動向に目配りし、金融政策を柔軟に運営していくことが重要だ。

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