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五輪連覇した亡き父との約束果たせなかった斉藤立、大粒の涙「ロスで何が何でもやり返す」

読売新聞 / 2024年8月3日 5時19分

柔道男子100キロ超級3位決定戦で敗れた斉藤立(2日、パリで)=菊政哲也撮影

 パリオリンピックの柔道男子100キロ超級が2日行われ、五輪初出場の斉藤 (たつる)(22)(JESグループ)は韓国選手との準決勝、ウズベキスタン選手との3位決定戦に続けて敗れ、メダル獲得はならなかった。ロサンゼルス、ソウル五輪で95キロ超級を連覇し、2015年に亡くなった父、仁さんに続く親子での金メダルはならず、「自分は本当に日本に帰れない」と大粒の涙を流した。

 午前中の初戦は内股で一本勝ちし、延長戦にもつれ込んだ準々決勝も内股で技ありを奪って、危なげなく勝ち進んだ。しかし、韓国選手との準決勝では背負い投げで一本負け。ほどなくして行われた3位決定戦でも、ウズベキスタン選手に外巻き込みで技ありを取られると、そのまま腕ひしぎ十字固めを決められ、パリでの戦いが終わった。

 幼い頃から父の手ほどきを受けていたものの、柔道に本気で打ち込むようになったのは、父ががんで亡くなった中学1年の時から。「オリンピックで優勝する」という父との約束を胸に、初の大舞台にかける思いは「誰よりも強いと思っていた」。しかし、「(決勝で)やれる自信があった」というフランスのテディ・リネールとの対戦はかなわず、メダルすら届かなかった。「絶対に優勝するという気持ちでやっていたが、これが全て。気持ちの整理がつかない」と消え入るような声で振り返った。

 日本のお家芸の最重量級としてこの階級を重視していた全日本男子の鈴木桂治監督は、端的に指摘した。「オリンピックというものを大きく見ると、(斉藤には)まだスター性はない。もっともっといろんな人から、魅力的と思われる存在にならないとだめ」。体格に恵まれた海外の強豪がひしめく100キロ超級の壁は高く、そして厚い。「4年後のロサンゼルス五輪で、何が何でもやり返さないといけない」と斉藤。拭っても拭ってもあふれ続けたこの日の涙が、明日からの糧になる。(デジタル編集部 深井千弘)

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