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「ちょうど時代劇がやりたかった」野村萬斎、家康役に「目ヂカラだけは意識した」…「もしも徳川家康が総理大臣になったら」出演

読売新聞 / 2024年8月2日 11時0分

「三英傑が同じ画面にそろうことはマダム・タッソー(ろう人形館)じゃないとあり得ない。つかみからおもしろく、最強です」と語る=園田寛志郎撮影

 公開中の「もしも徳川家康が総理大臣になったら」(武内英樹監督)は日本史上の傑物たちがよみがえり、政治家として現代日本を救うSFコメディーだ。狂言師の野村萬斎が内閣総理大臣の家康を貫禄たっぷりに演じている。「長いターム(期間)で物事を考えるきっかけになればうれしい」と語る。(木村直子)

 コロナ禍で危機に直面する政府は、歴史上の人物をAI(人工知能)で復活させる奇策に打って出る。信長、秀吉、家康と戦国三英傑を中心にした偉人たちによる最強内閣が発足する。「ちょうど時代劇がやりたかった。現代とドッキングしたような設定自体が、ストライクな感じがしました」

 原作は同名のビジネス小説。「スポークスマン」である官房長官は坂本龍馬( 赤楚 あかそ衛二)、文部科学大臣は紫式部(観月ありさ)など、適性やジェンダーバランスにも配慮したオールスター内閣に国民は熱狂する。家康はその中心でどっしり構えた役だ。「泰然自若としている。ただ眼光、目ヂカラだけは意識した」

 新人記者西村(浜辺美波)が偉人内閣のスクープを狙う中、財務大臣の秀吉(竹中直人)を中心に閣内に不協和音が広がる。ドタバタでコミカルな展開には現代政治への風刺も利かせ、「大衆心理を含めた まつりごとの危うさ」も描く。

 現在は国公立の劇場などで作る「全国公立文化施設協会」の会長で、「世田谷パブリックシアター」の芸術監督を20年務めたことでも知られる。政治との距離が近い公共の仕事をしてきたからこそ、思うことがある。「何のためにやるのかという本質からずれて、利権絡みになっていないか。この映画も、そこを直接的に批判しているわけです。政に携わっている人、それをジャッジして動かす民意も両方が問われている」

 映画では、それまで事態を見守ってきた家康が終盤に動き、混乱を収拾する。現代人にバトンを託すような演説シーンは、この作品に出演する決め手にもなったという。「川の流れは一人ではなくて、皆で作るもの。歴史の点と線の現象を説いている。今だけを見るのではなく、未来を含めたメッセージを、安寧をもたらした家康がしゃべることの説得力を見る人にも感じていただければ」

 ところで政治家だったら、どんな公約を掲げるか。約700年続く伝統芸能の担い手らしく、「次の世代に継承され、アップデートされることを前提に、礎になる政策を打ち出します」と強調した。

 文化芸術の表現者としては、鑑賞者に「生きている実感」を届けたいという。「それぞれが適材適所で、得意分野や才能を発揮し、補完し合う。生きててよかったという幸福感や社会的な達成感を誰もが感じる世の中がいいじゃないですか」

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