バレーボールのコートから「線審」が消えた…テクノロジーの進化に「すげぇぇ!」の声
読売新聞 / 2024年8月3日 11時11分
パリオリンピックは2日夜(日本時間3日未明)、バレーボール男子の日本対米国戦が行われた。SNSは米国戦で敗れながらも準々決勝進出を果たした日本代表をたたえる投稿で沸いたが、コートの四隅にいるはずの「線審」が、五輪では初めて「消えた」ことに驚くコメントも相次いだ。
中継画面を注視していて、なんだかコート周りがすっきりしたように感じたのはそのせいか。線審がいない代わりに、ラインにかかるような際どいボールは中継画面に3D映像が表示され、瞬時にインアウトが確認できるようになった。昨年のサッカー・ワールドカップカタール大会で話題になった「三笘の1ミリ」を思い出す。
日本バレーボール協会によると、こうした機械による判定システムは近年、一部の国際大会で導入されるようになり、五輪では今回のパリ大会で初めて採用されたという。2021年の東京大会を見たところ、コートの四隅に小さな旗を持った人がいるのが確認できた。
今大会からは、会場に設置された複数台のカメラが常に選手とボールとの動きをモニタリングしていて、ラインぎりぎりに落ちるような際どいボールを人間の目より正確に判定できるようになった。従来はビデオ判定を要求するたびに試合が中断していたため、新システムの導入で試合時間の短縮が図られたことに加え、いちいち抗議する必要がなくなって選手のストレス軽減にも役立っているという。
今のところ運営側にとっても選手にとっても「特にデメリットは感じられない」(同協会)とのことだが、システム導入には多額の費用が必要なことがネックだという。最近はシステムが安定したそうだが、導入初期はトラブルもたびたび発生したとのこと。万一システムが稼働できなくなった時には、主審と副審だけでラインのインアウトを判定するというルール改定がされたそうだ。
X(旧ツイッター)では、「線審いないなぁって思ったらラインジャッジ全部電子化されてるんやね!すげぇぇ!」といった驚きの声のほか、「もう人間が審判やんない方がいいな。バレーの線審消えたのもすげえクリーンだ」「プロが人生かけてるスポーツで誤審なんて許されない」など、システムによる判定を歓迎するコメントも多く見られた。(デジタル編集部)
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